たばこの値上げと喫煙本数の変化の関係

2011/10/03 06:47

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たばこファイザーは2011年9月27日、喫煙者の追跡調査結果を発表した。それによると2010年10月のたばこ税増税・たばこ値上げ直前に喫煙していた調査母体のうち、調査時点でも喫煙している人において、半数近い人は「値上げで喫煙本数が減った」経験を持つことが分かった。もっともそのうち半数以上は結局本数を元に戻している。継続的な本数減少を果たしている人は、喫煙者全体の2割程度でしかない(【発表リリース】)。



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今調査は2010年8月から9月に行われた調査(【喫煙者の38.2%がたばこ値上げ当日の時点で禁煙に挑戦】など)の回答者、つまり2010年8月-9月の時点で喫煙者だった9400人(各都道府県男女/各100人、計200人)当人に対して再びインターネット経由で2011年8月24日から8月30日にかけて行われた追跡調査で、有効回答数は6713人。47都道府県別にそれぞれ120-162人が回答している。

2010年10月からたばこ税の大幅な引き上げ・たばこ価格の値上げが行われた。その直前に喫煙者だった人が、値上げからほぼ1年が経過した現時点でどのような喫煙上の変化を見せているのかが、今回の調査の主旨。現調査母体の現況を喫煙周りの過程も合わせて表現したのが次の表。

↑ 今調査母体における、現在の喫煙・禁煙状況(過程も含めて。上は人数、下は各区分内における比率)
↑ 今調査母体における、現在の喫煙・禁煙状況(過程も含めて。上は人数、下は各区分内における比率)(再録)

今回はこのうち、現在も喫煙している人(5806人)が対象になる。この人達に、たばこの値上げ以降に喫煙本数が変わったか否かを聞いたところ、半数近くの46.3%は変化なしと答え、48.8%は「減少した経験を持つ」と回答した。さすがに「値上げしたので増えた」人はごく少数でしかない。

↑ 2010年10月のたばこ増税・値上げ以降に喫煙本数は変わったか(現在喫煙者)
↑ 2010年10月のたばこ増税・値上げ以降に喫煙本数は変わったか(現在喫煙者)

ところが「減った人」の半数以上、現在喫煙者全体の28.2%は、一時的に減ったものの結局元に戻ってしまっている。値上げ後から一年経過した調査時点で、本数が減ったままの人は喫煙者の20.6%でしかない。値上げそのもの、あるいはそれに連動するであろう各種決意も長続きしなかったことが見て取れる。

一方、あれだけ大きな引き上げ額だったにも関わらず、半数近い喫煙者は「喫煙本数変化なし」と答えている。これもまた、興味深い動き。

ニコチン依存症か否か(【あなたがニコチン依存症かどうかを判断する10のポイント】で紹介している「ニコチン依存症」の解説を参照のこと)で区分すると、依存している人の方が一時的な減少者の比率は高い。ところが結局元に戻っている人も多く、調査時点でも減ったままの人はわずかながらも非依存症の人の方が比率が上。依存性の高さを改めて認識させてくれる一幕ではある。

なお最初の表を見れば分かるように、値上げタイミングで「喫煙本数を減らした」ではなく「止めた」人も居るが、その人達は今件項目では含まれていない(907人)。詳しくは別項目記事で解説するが、喫煙挑戦者(成否を問わず)の約3/4は値上げを挑戦事由の一つとして挙げている。「禁煙」を「喫煙本数が減った・減ったまま(二つ目のグラフなら濃い水色部分)」に含めるとすれば(その場合グラフの対象は「現在喫煙者」では無く「調査母体全員」となるが)、もう少し「減った」項目の割合は増加することになるだろう。



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