値上げ後の1年で禁煙挑戦者35%、そのうち成功者は4割近く

2011/10/02 19:30

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たばこファイザーは2011年9月27日、喫煙者の追跡調査結果を発表した。それによると2010年10月のたばこ税増税・たばこ値上げ直前に喫煙していた調査母体において、今回の調査時点で禁煙している人は13.5%であることが分かった。禁煙に挑戦した人は1/3強に達しているが、成功した人はそのうち4割足らずでしか無い。また現時点で喫煙している人のうち、1/4近くは禁煙に挑戦した(が失敗した)と答えている(【発表リリース】)。



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今調査は2010年8月から9月に行われた調査(【喫煙者の38.2%がたばこ値上げ当日の時点で禁煙に挑戦】など)の回答者、つまり2010年8月-9月の時点で喫煙者だった9400人(各都道府県男女/各100人、計200人)当人に対して再びインターネット経由で2011年8月24日から8月30日にかけて行われた追跡調査で、有効回答数は6713人。47都道府県別にそれぞれ120-162人が回答している。

【たばこ税の推移】などで説明しているが、2010年10月からたばこ税の大幅な引き上げ・たばこ価格の値上げが行われた。その直前に喫煙者だった人が、値上げからほぼ1年が経過した現時点でどのような喫煙上の変化を見せているのかが、今回の調査の主旨。

大きく分けると現調査母体は「禁煙に挑戦しなかったので現在も喫煙者」「禁煙に挑戦したが失敗したので今も喫煙者」「禁煙に挑戦して成功したから今は禁煙者」の3タイプが存在する。それぞれの区分をその過程も合わせて計算したのが次の表。

↑ 今調査母体における、現在の喫煙・禁煙状況(過程も含めて。上は人数、下は各区分内における比率)
↑ 今調査母体における、現在の喫煙・禁煙状況(過程も含めて。上は人数、下は各区分内における比率)

全体のうち禁煙挑戦者は35.1%。そして成功した人はそのうち38.5%。結果として全体の13.5%が禁煙に成功し、残りの「元々禁煙しなかった人」+「禁煙にトライしたけど失敗した人」の86.5%が現在も喫煙者という具合。

これを「現在喫煙中」の人だけで仕切り直し、さらに【あなたがニコチン依存症かどうかを判断する10のポイント】で紹介している「ニコチン依存症」か否かで区切った結果が次のグラフ。

↑ 2010年10月のたばこ増税・値上げ以降に禁煙に挑戦したか(現在喫煙者対象)
↑ 2010年10月のたばこ増税・値上げ以降に禁煙に挑戦したか(現在喫煙者対象)

現在喫煙者のうち1/4は禁煙に挑戦し、そして失敗している。上の表では「禁煙挑戦者の71.5%は失敗」とあるが、換算し直すと「1年前の喫煙者のうち21.6%は禁煙に挑戦し、そして失敗した」(86.5%-64.9%=21.6%)ということになる。

たばこまたニコチン依存症の人の方が、非依存症の人よりも禁煙に挑戦した率は高い。禁煙成功率の差異に関するデータが無いのは残念だが、少なくともたばこへの依存度が高い人の方が(むしろ「だからこそ(値上げ後の負担が大きくなることからか)」)チャレンジ精神は旺盛だったことがうかがえる。

そして再度データを見直すと、去年の調査時点で「38.2%が値上げに伴い禁煙に挑戦する」と答えている調査母体で、実際に35.1%が挑戦していること(今回では未回答者もいるが)、そして1年が経過した時点で成功率は挑戦者の4割に満たなかったという現実が見て取れる。たばこの値上げ額・率は相当なものだったが、それでも禁煙がいかに難しいものであるかが、あらためて認識できるというものだ。



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