地域ニュースはテレビと新聞がメイン…米における世代別・ニュース取得元
2011/10/04 06:41
アメリカの調査機関【Pew Reserch Center】は2011年9月22日、ニュースメディアとその利用者の動向に関するレポート【Press Widely Criticized, But Trusted More than Other Sources of Information…Views of the News Media: 1985-2011】を発表した。そこには最新、及び中長期的に渡る、アメリカにおけるニュースメディアと利用者の関係、利用者のニュースに対する信頼の変移が多数示されている。今回はその中から、全国ニュースと地方・地域ニュースを、主にどのメディア経由で取得しているかについて、世代別の動向を見て行くことにする。
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今調査は2011年7月20日-24日にかけてアメリカ国内の18歳以上1501人を対象にしたもので、うち916人は固定電話経由・585人は携帯電話経由(そのうち254人は固定電話無し)で音声によって質問が行われている。用いられた言語は英語とスペイン語で、電話をかけた際に在住していたもっとも若い男性か女性に回答を依頼している。また調査の一部は2011年6月23-26日、7月21日-24日、8月4日-7日にも行われているが、999人-1005人を対象し、ほぼ同様の形式で行われている。さらに各調査では国勢調査など統計上の実態値(性別・年齢階層・人種・地域など)に合わせて、バランス調整による修正が行われている。
ニュースの取得元については以前同じくPew Research社が調査した通り、若年層はテレビとインターネット、高齢層はテレビと新聞がメインとなっている(【米でも高齢者はテレビ偏向】)。
↑ 主にニュースを取得する媒体(再録)
今件では「全国ニュース」と「地域(地方)ニュース」に区分した上で、世代別のニュース取得メディアを尋ねた結果を出している。全般的には上記グラフと同じような傾向にあるが、全国・地域別の違いも明確に出ており、興味深い内容が見て取れる。
↑ 主にどのメディアからニュースを取得しているか
まず「全国」と「地域」で、テレビの高さは共通しているものの、「インターネット」と「新聞」の立ち位置が逆転している所が興味深い。インターネットは全国規模のニュース取得には優れたメディアと認識されているが、地域の情報は弱く、新聞には到底かなわないという判定が下されているわけだ(世代別に見ても多少の違いはあるものの、地域ニュースにおける新聞への傾注度の高さは変わらない)。
一方世代別で確認すると、「インターネットは若年層ほど多用する」「テレビや新聞はシニア層ほどよく使う」傾向はニュースに限った話ではないものの、その動きが明確に出ているのが分かる。例えば「全国」の場合、18-29歳では「テレビ」以上に「インターネット」が使われている。
ところが「地域ニュース」を見ると、世代別の差異がほとんど無く、すべての世代から一定の利用率を獲得しているのが見て取れる。若年層は単純に「旧来メディアはパス、新メディアを信頼する」のでは無く、内容などを精査した上で取捨選択をしていることがうかがえる。全国向けのニュース・報道機関と地域・地方向けのそれの報道姿勢・内容と共に、留意と共に吟味する価値のある結果と評せよう。
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