未既婚で これだけ変わる 自炊率
2011/09/30 12:10
先に【節電の夏、料理スタイルも変わる夏】で電通総研発表資料に基づき、「節電が啓蒙された今夏期においては、料理のスタイルにも色々な動きが確認できた」という話をした。その資料では他にもいくつかの料理周りの動向が記されていたが、ある興味深い値が目に留まった。男女別の「普段自分で料理をするか否か」というものだが、通常の調査では区分されることがあまりない、そして料理という観点では非常に重要な「既婚・未婚別」での結果が盛り込まれている。今回は(調査の主旨とはやや異なるが)その部分にスポットライトを当てることにしよう(【発表リリース、PDF】)。
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今調査は2011年9月3日から4日にかけて学生をのぞく20-69歳の男女に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1200人。男女比は589対611、未既婚区分は男性が未婚230人・既婚359人、女性が未婚150人・女性461人。
今調査母体では男性で日常的に料理をする人は17.5%と2割足らず。それに対して女性は81.8%と8割を超える。既婚の女性のほとんどは家事を担当するということもあるが、それでもなお女性の料理率の高さが分かる。
↑ 普段自分で料理をするか
未婚、つまり独身の場合、実家住まいか同棲者がいるか、あるいは寮生活で食事が配膳される環境でなければ、自分の食事は自分で用意する必要がある。この場合、自分で料理をするか、外食でまかなうか、あるいは中食を選択するのが一般的。
男性の場合、日常的に自炊をする人は約1/4。時々する、つまり自炊と外食や中食を組み合わせている人は約1/3、そして4割は通常外食なりコンビニやスーパーのお弁当なりで済ませている計算になる。これに対して女性は自炊派が4割強、時々自炊派が1/3強となり、自炊は普段しない人は2割足らずでしかない。独身生活時代から、料理・自炊に対する考え方の違いが容易に把握できる。
そして既婚、つまり結婚すると女性のほとんどは世帯の家事の一環として食事をまかなうことになる。結果としてほどんどの女性が「日常的に自炊をする」(≒世帯の料理を作る)。普段自炊をしないと回答した既婚女性は1.5%。家事の役割分担として配偶者に任せているか、その他色々な事情があるのだろう。
一方男性は、女性に料理を担ってもらう事で、未婚時よりも自炊率は下がる。普段料理はしない人が過半数に達し、日常的に自炊する人は1割強でしかなくなる。
改めて指摘されれば、ごく当たり前の、容易に想像ができる結果ではある。同時にこのような形で明確に数字化されることで、関連する事象を検証する際に、大いに役立つ素材となるに違いない。
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