「電気代」「食費」「水道代」…震災後、見直しをした生活費

2011/09/30 12:00

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電気パルシステム生活協同組合連合会は2011年9月27日、東日本大地震・震災発生後に人々が生活習慣や生活環境を見直したか否か、どのような見直しをしたのかに関する調査結果を発表した。調査母体の傾向として、生活費は「電気代」を見直した人がもっとも多く6割近くにのぼっており、第二位の「食費」の2倍を超える結果となっている。先の【広まる節電意識・「本震」後、7割は「電気をこまめに消すように」・5割は「エアコンの設定温度を上げた」】で触れた、特に節電面における節約意識が、生活費の上では電気代という形で現れたのが確認できる(【発表リリース、PDF】)。



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今調査は2011年9月5日から8日にかけて携帯電話を利用したインターネット経由で、関東一都六県の居住者20-59歳の男女に対して行われたもので、有効回答数は1000件。男女比は1対1、年齢階層比は20・30・40・50代で均等割り当て。

2011年3月11日に発生した東日本大地震とそれに伴う各種災害(震災、以後「本震」と表記)をきっかけに、無意識に、あるいは意図的にライフスタイルを変える人も多い。今件調査母体でも、「本震」後に、身の回りの生活習慣・環境を見直したと答える人は68.7%に達している。

↑ 「本震」後、身の回りの生活習慣・環境を見直したか
↑ 「本震」後、身の回りの生活習慣・環境を見直したか

それでは生活費の上では、どのような項目で「見直し」を行っただろうか。お金の上での「見直し」は具体的な数字として現れる(そしてデメリットを抑えつつ削減ができれば、大きな便益にもなる)だけに、分かりやすい指針でもあり、他人の動きが気になる話だ。

↑ 「本震」後、見直した生活費(複数回答、対全員)
↑ 「本震」後、見直した生活費(複数回答、対全員)

もっとも多くの人が見直しを図ったのは「電気代」。約6割の人が手掛けたと回答している。これは同様の内容を尋ねた別機関の調査結果【震災後に減った支出項目、トップは外食費…ではなくて】と同じで(もっともこれは「結果として支出が減ったもの」だが)。「本震」後の家計における支出削減の動きとしては不動の結果であることを、再確認させられる。

節電の計算第二位以降は大きく数字が落ちるが、「食費」「水道代」「ガス代」など、日常茶飯事的に使うものやインフラ系の支出が続く。これも先の別調査機関の傾向と一致しており、多少の月日は経過しても、人々の消費見直し傾向に動きはないと判断できる。

一方、「居住費」「医療費」「教育費」などのように(無駄な場合は別として)容易に削減するには首を傾げる項目、「タバコ代」「ゲーム代」「ギャンブル代」のような嗜好系の強いものには見直しの兆しはあまり見られない。前者はともかく後者があまり「見直し」の対象とならないのは、元々不景気下で削られてきたことや、消費性向全体の変化の中の一つ、「自分の人生を有意義に過ごす」ことに必要な経費と捕えられての上の動きともいえる。

ともあれ、「電気代」をはじめとするインフラ周り、そして「外食費」。この二つは「本震後」に変化を見せる一般世帯の消費性向の中で、削減の対象として注目を集めることになる。関連する各種事象、例えば小売業(とりわけ外食産業)にも変移が見えてくる可能性は否定できまい。



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