7割強は「他メディアと同じようなニュース」米ソーシャルメディアとニュースの関係

2011/09/29 12:00

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ソーシャルメディアアメリカの調査機関【Pew Reserch Center】は2011年9月22日、ニュースメディアとその利用者の動向に関するレポート【Press Widely Criticized, But Trusted More than Other Sources of Information…Views of the News Media: 1985-2011】を発表した。そこには最新、及び中長期的に渡る、アメリカにおけるニュースメディアと利用者の関係、利用者のニュースに対する信頼の変移が多数示されている。今回はその中から、「ソーシャルメディアを利用してニュースを取得している人の利用性向」を探ってみることにする。



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今調査は2011年7月20日-24日にかけてアメリカ国内の18歳以上1501人を対象にしたもので、うち916人は固定電話経由・585人は携帯電話経由(そのうち254人は固定電話無し)で音声によって質問が行われている。用いられた言語は英語とスペイン語で、電話をかけた際に在住していたもっとも若い男性か女性に回答を依頼している。また調査の一部は2011年6月23-26日、7月21日-24日、8月4日-7日にも行われているが、999人-1005人を対象し、ほぼ同様の形式で行われている。さらに各調査では国勢調査など統計上の実態値(性別・年齢階層・人種・地域など)に合わせて、バランス調整による修正が行われている。

調査母体のうち27%がFacebookやツイッターなどのソーシャルメディア経由で、ニュースやニュースのヘッドラインを「日常茶飯事的に」あるいは「時々」確認している。その人達に「ソーシャルメディアから取得するニュースは、他のメディア(テレビや新聞など)からのニュースと同じものか、それとも別モノか」について聞いた結果が次のグラフ。同様のニュースとの回答は7割を超えていた。

↑ ソーシャルメディアから取得するニュースは……(ソーシャルメディアから普段、あるいは時々ニュースを取得する、全体の27%に対する質問)
↑ ソーシャルメディアから取得するニュースは……(ソーシャルメディアから普段、あるいは時々ニュースを取得する、全体の27%に対する質問)

詳細の数字は公開されていないが、30歳未満に限れば「独自ニュース」の比率は38%にまで上がる一方で、65歳以上の場合は12%にまで下落するとのこと。いずれにせよ、過半数の人が「他のメディアと同じニュースをソーシャルメディア経由で取得する」と答えており、他のメディアと同列、あるいは代替的な立ち位置として、ソーシャルメディアが使われ始めていることをうかがわせる結果となっている(もっとも元データを見る限り、調査母体全体の53%は「ソーシャルメディア経由でニュースを読むことは無い」、20%は「ほとんど無い」としており、普及率を上げるには何らかの「工夫」が必要と思われる)。

それではそれら「ソーシャルメディア経由でニュースを取得している人」は、主にどのようなジャンルのニュースを読んでいるのか。

↑ どのような種類のニュースをソーシャルメディアから取得するか(複数回答)
↑ どのような種類のニュースをソーシャルメディアから取得するか(複数回答)

もっとも多い回答項目は「自分にとってお得な情報」。具体的には「(効果、利益、スピーディーさ、理解のしやすさで)生活が便利になる」「最新情報」「自分のペースで読み解ける」など。次いで多いのは「4マスが取り上げないような情報、解釈など」。多種多様な一次ソース、見解、分析などが好まれている。そして「速報性、正確性、更新性など、他メディアでは成しえない項目で優れた、質の高いニュース」が続いている。

全般的には主婦向け雑誌のような「生活のワンポイントアドバイス」的な普遍的情報、多種多様な視点から見た(そしてもちろん正確な)ニュース、そして逐次更新性のあるニュースが大いに好まれている。

日本の主要ソーシャルメディアでも一部で、検索ポータルサイトのように、各メディアのニュースをダイジェスト的に配信するところが増えている。それらの掲載内容を見渡すと、確かにそれらの観点にマッチしたものが多く見受けられる。

↑ mixiにおけるニュース記事一覧
↑ mixiにおけるニュース記事一覧

「ソーシャルメディアは会員がニュースや情報を取得する手段としての機能を拡大し、利用を促している」とはリリースの解説の文言。検索系ポータルサイトが「常にアクセスの拠点として利用してもらうため」にニュースの集約を始めたのと同じように、インターネット上での活動の拠点として(自身の)ソーシャルメディアを使ってもらうようにするため、ネットの利用主目的の一つとされるニュースを集め、使いやすい場を提供するのは当然の流れといえる。

今後は(繰り返しになるが)「ソーシャルメディアならでは」の特徴・メリットを提案するスタイルでのニュースソースの収集と配信が、ソーシャルメディア側には求められよう。


■関連記事:
【ソーシャルメディア利用者の他メディアとの使い分け(2011年版情報通信白書より)】
【ツイッターとソーシャルメディア、それぞれのニュース媒体としての使われ方の違いとは】



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