広まる節電意識・「本震」後、7割は「電気をこまめに消すように」・5割は「エアコンの設定温度を上げた」

2011/09/28 12:00

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節電パルシステム生活協同組合連合会は2011年9月27日、東日本大地震・震災発生後に人々が生活習慣や生活環境を見直したか否か、どのような見直しをしたのかに関する調査結果を発表した。調査母体では見直しをした人は7割近くに達し、具体的には「電気をこまめに消す」ことを心がけた人がやはり約7割となり、「見直し」を自覚した人のほぼ全員が電気周りに気をつけるようになったと答えている。他にも「エアコンの設定温度を上げる」が6割近くと、電気関連への注視が高い値を示している(【発表リリース、PDF】)。



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今調査は2011年9月5日から8日にかけて携帯電話を利用したインターネット経由で、関東一都六県の居住者20-59歳の男女に対して行われたもので、有効回答数は1000件。男女比は1対1、年齢階層比は20・30・40・50代で均等割り当て。

2011年3月11日に発生した東日本大地震とそれに伴う各種災害(震災、以後「本震」と表記)で、直接・間接的に大きな被害を受け、生活様式を変えた人も少なくない。【無駄を無くし、周囲との連帯を考え、情報入手先を熟考…震災後で変わる価値観】でも触れている通り、本人の無意識のうちに考え方・行動性向が変わる場合もあれば、意図的に・決意をした上でライフスタイルを変える人も多い。今件調査母体でも、「本震」後に、身の回りの生活習慣・環境を見直したと答える人は68.7%に達している。

↑ 「本震」後、身の回りの生活習慣・環境を見直したか
↑ 「本震」後、身の回りの生活習慣・環境を見直したか

それでは具体的に、どのような点を見直したのか。複数回答で聞いた結果が次のグラフ。

↑ 「本震」後、見直したこと(複数回答、対全員)
↑ 「本震」後、見直したこと(複数回答、対全員)

グラフタイトルにわざわざ「対全員」と書いたのは、トップ項目で興味深い動きが確認できるため。「見直したか否か」を聞いた際には68.7%しか肯定派が居なかったにも関わらず、具体的に聞く段階になると70.1%が「電気をこまめに消す」と回答している。差し引き1.4%は単なる誤差という見方もできるが、半ば無意識のうちに行っていて、具体的項目として挙げられて初めて気がついたと見ることもできる。その「1.4%」も合わせ、「本震後に生活様式を見直した人のほぼすべてが、電気のこまめなスイッチオフを心がけている」ことになる。

次いで多いのは「エアコンの設定温度を上げる」。回答時期は9月初頭なので、夏期の節電対策がまだ記憶にも新しく、これが大きく数字にも表れている。合わせて、トップと並び「電気周り」の生活様式の見直しが大きな要素であるのが分かる。以下、【「ハリネズミ症候群」...震災後の心理動向の変化と消費トレンドの関係レポート】でも指摘しているように、「保守的」「防御的」様式に多くの人が同意を示している。「派手」から「地味」、「攻め」から「守り」、そして「いざという時への備え」の傾向が強まっているのが見て取れる。

【LED電球普及率は14.8%・今後使いたい人は……!?】で記した値とほぼ同じ結果が「照明をLEDに」の項目にも出ているなど、回答の確からしさを確かめられたのと共に、LEDの普及率がまだ今一つ(今回答もまた「全体の照明のうち15.3%」ではなく「LEDに一部でも切り替えた人が15.3%」であることに注意)なのも注目に値する。この件もあわせ、「節電」、そして「守りの姿勢」が今後、生活様式関連で注目される要素となることは間違いあるまい。



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