通話とショートメッセージサービス、どちらを使う? 米携帯での意思疎通傾向
2011/09/26 06:52
アメリカの調査機関【Pew Reserch Center】は2011年9月19日、アメリカにおける「モバイル端末(携帯電話)を利用したSMS(ショートメッセージサービス)と通話」に関する調査結果を発表した。今回はその中から、「(音声)通話」と「SMS」の立ち位置、併用の際の重きの置かれ方にスポットライトをあててみることにしよう(【発表リリース】)。
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今調査は2011年4月26日から5月22日にかけて、18歳以上の人に対して電話(固定電話と携帯電話)でRDD形式(Random Digit Dialing、乱数で創り出した番号に電話をかける方法)によって選択された対象に、英語とスペイン語で行われたもので、有効回答数は2277人。回答時に利用した電話は、固定電話は1522人、携帯電話は755人。インターネットを利用している人は1701人(74.7%)。携帯電話保有者は1914人(そのうちスマートフォンは688人・それ以外の一般携帯電話は1226人)、ツイッターなどのソーシャルメディア利用者は1015人。さらに性別・年齢・教育経歴・人種・使用言語などの各種区分において、アメリカの国勢調査結果に基づいた調整が行われている。
また、携帯電話保有者のうち73%がSMSを利用している。逆に、携帯電話を所有しているが意思疎通はSMSだけ・音声通話は普段使っていない人は(携帯電話所有者のうち)4%に過ぎない
さて携帯電話を持つ人において、主な意思疎通機能としては通話・SMSの2種類があるわけだが(電子メールやウェブチャットなども使用は可能だが、今件では範ちゅう外)、主にどちらを利用するだろうか。
↑ 通話とSMS、どちらの手段で連絡をすることを好むか(携帯電話所有者でSMSを使う人限定)
SMSを使う人に聞いたところ、過半数が「メインは通話」と答え、「メインはSMS」とする人は3割強でしかなかった。「SMSのみ使う」人はSMSがメイン、「通話のみ」の人は通話がメインになるのは当然として、双方使っている人でも通話の方が多い。「携帯電話」は「携帯」する「電話」の立ち位置を確保しているように見える。
一方で、意思疎通そのものが活発な人は、SMSも通話も積極的になる。次のグラフはSMSの送受信をする回数別、音声通話数の平均を示したものだが、SMS数が増えるほど通話回数も増加している。
↑ 通常送受信するSMS数と通話数の関係(携帯電話保有者限定)(通常の1日あたりのSMS数別、通話の通常送受信数)
似たような動きはSMS・通話それぞれの世代別動向でも確認されているので、「若年層=コミュニケーションが活発=音声通話もSMSも積極利用」の傾向を別の視点から見ただけ、ともいえる。
他方、SMSのやり取りの頻度が高くなると、意思疎通の手段として音声通話よりもSMSを好む傾向が確認できる。
↑ 通話とSMS、どちらの手段で連絡をすることを好むか(携帯電話所有者でSMSを使う人限定)(1日におくるSMS数別)
「状況に応じて使い分ける」派は1-2割で変動は無いが、SMSの利用件数が増えるにつれて「意思疎通をする場合はSMSを使いたいナ」という意向が強くなる。今件データでは20通/日あたりがターニングポイント、境界線というところか。
SMSの利用頻度が高まるほど「出来ればSMSで意思疎通を図りたい」とする人が増えるのは当然として。今件は、全般的には音声通信の利用が今現在でも「主要な連絡手段」として用いられているのが、改めて確認される結果といえる。もっとも【若者は1日平均100通以上のやり取り…米携帯のショートメッセージサービスの利用動向】にもあるように、若年層ほどSMSは多用されていることから、今後は少しずつ通話の利用度合いも落ちてくることだろう。
■関連記事:
【子供は1日112件・米での大人と子供の携帯を使ったショートメールの使われ方の違い】
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