「インターネットのリスクをもっと学びたい」子供の保護者の6割近くが要望
2011/09/20 12:00
警察庁は2011年8月25日、「児童が使用する携帯電話に関わる利用環境実態調査」の結果報告書を公開した。その報告書では子供と携帯電話の関係について、多種多様で興味深いデータが記載されている。今回はその中から、保護者におけるインターネットのリスクに関する学習意欲について、グラフ化を行うことにした(【発表リリース、PDF】)。
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今調査は2011年2月から5月にかけて、全国(震災の影響により宮城県は未実施)の18歳以上の小学生(現在4-6年生)・中学生・高校生の子供がいる保護者に対し、学校経由で保護者向け調査票を配布・回収したもの。有効回答数は6万6308人。今調査他項目の解説記事では保護者の子供に対するデータの分析を行っているが、今件は「保護者自身」に関する回答であることに留意してほしい。
インターネットは魑魅魍魎が住まう世界でもある。大人でも色々なリスクに遭遇し、時としてそのリスクを発動してしまう。ましてや子供なら……と心配する保護者も少なくない。インターネットが子供に与えるリスクとしては、有害サイト以外に、子供同士による「ネットいじめ」の問題なども考えられるが、それらについて「もっと説明を受けたり学んだりしたいか」という学習意向を「保護者自身に」尋ねたところ、6割近くが肯定的意見を述べた。
↑ 保護者のインターネットのリスクに関する学習意向
保護者自身も独学で、あるいは経験則でリスクを十分に学んでいるので、これ以上は必要ないとする人もいるだろう。しかし「学びたくない」派はわずか4.4%でしかない。子供とインターネット周りの最新情報について、現場で働く教育陣や専門家から、もっと説明を受けたり学びたいとする意欲は強いことが分かる。
これを子供の学校種別に見ると、子供の年齢が幼い保護者ほど学習意欲が強いことが分かる。
↑ 保護者のインターネットのリスクに関する学習意向(学校種別)
子供が幼いほどフィルタリングの問題や、防犯とリスクを両てんびんにかけた携帯電話の保有の是非など、頭を悩ませることは多い。さらに(子供が幼いほど)保護者自身の歳も若い傾向があるため、養育周りの情報取得に積極的なところがある。それが「子供が若い学校種ほど、保護者の学習意欲も強い」という結果に反映されたのだろう(インターネットに対する抵抗心がほとんど無いのも一因といえる)。また一方で、子供が高学年≒親の年齢が上ほど、デジタル周りを避ける傾向がある点も、多少は影響しているのかもしれない。
とはいえ意欲の強弱を別にすれば、「学習したい」とする人の比率差異は10ポイント程度でしか無い。保護者がインターネットと子供の間に生じ得るリスクについて、高い学習意欲を持っているのは事実。関連機関は積極的にその場を設けねばなるまい。
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