ソーシャルメディアを使わない理由・圧倒的多数は「興味が無い」(2011年版情報通信白書より)

2011/09/08 06:40

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イエスかノーか総務省では2011年8月9日に、最新の2011年版となる【情報通信白書】を同省公式サイトにて公開した。構成要素の多くは以前6月1日に掲載した【携帯電話とパソコンの所属世帯年収別利用率(2010年分データ反映版)】でも利用した「通信利用動向調査」の結果を元にしているが、その他にも多方面から集めた資料を元にしたデータを収録しており、資料性の高いものとなっている。今回はその中から、主要ソーシャルメディア(今件ではmixiやFacebookなどのSNS以外に、ツイッターなどのミニブログ、ブログや掲示板なども含む)を使わない人における、未利用の理由について見て行くことにする(【該当ページ:第3章 「共生型ネット社会」の実現がもたらす可能性(4)ソーシャルメディアの課題】)。



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調査対象母集団などについては先の記事【ソーシャルメディア利用者の他メディアとの使い分け(2011年版情報通信白書より)】の解説部分で触れている。詳しくはそちらを参照してほしい。

【複数利用者は1/4…ソーシャルメディアの利用動向】にもある通り、調査母体のうちソーシャルメディアを現在利用中の人は約4割、利用経験はあるが現在使っていない人は1割、経験無しの人は5割近くに達している。つまり現時点でソーシャルメディアを使っていない人は57.1%となる。

↑ ソーシャルメディアの現在の利用数、利用経験
↑ ソーシャルメディアの現在の利用数、利用経験(再録)

この57.1%に対し、なぜソーシャルメディアを「現在」使っていないのかについて、複数回答で聞いた結果が次のグラフ。最上位は「興味が無い」で6割近く。どのような特徴、長所があるのかを知っているか否かはまでは不明だが、ともかく関心を寄せる対象では無いという回答である。

↑ ソーシャルメディアを利用しない理由(非利用者限定)(複数回答)
↑ ソーシャルメディアを利用しない理由(非利用者限定)(複数回答)

次いで多い意見は「個人情報を知られたくないから」で2割近く。「不特定多数の人に知られたくない」「自分のプロフィールを悪用される可能性がある」「個人が特定されてしまう」など、ソーシャルメディアの特性の一つである、個人情報の取扱い、公知の可能性に関する懸念意見が高い値を占めている。さらに「迷惑メールや詐欺メールが来る可能性がある」など、厄介事が増えることへの心配も強い。

バランス一方で「参加のきっかけがないから」とする意見も15.7%に達している。こちらはポジティブな印象を持ちながらもチャンスが無く、「初めの一歩」を踏み出せない事例。例えばプレゼントキャンペーンなどの「アプローチ」をサービス側が提示することで、足を踏み出せる可能性はある。

今回はグラフ化しなかったが、ソーシャルメディアを「利用している」人においても、個人情報の漏えいや不正利用など「個人情報に関する懸念(要はプライバシー問題)」、そしてスパムメールなどの「厄介事の増加」に対する不安は大きい。しかしながら他人とのつながりを強化・検索の便宜化を図るための情報公開と、プライバシーの問題は「表と裏」のようなもので、完全な解決は難しい。

あまり情報公開に関する規制を強くし過ぎると、便利さまで損なわれてしまう。サービス提供側は巧みにバランスを調整しながら、運営を行ねばなるまい。



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