【更新】スマートフォンへ高まる期待と現実との直面
2011/09/05 06:17
クロス・マーケティングは2011年8月29日、スマートフォンユーザーの利用性向などに関する調査結果を発表した。それによるとスマートフォンを利用している調査母体においては、約半数の人がスマートフォン利用前に「情報収集がしやすくなる・即時に出来る」「パソコン代わりになるだろう」と考えていたことが分かった。しかし実際に利用してみると、「パソコン代わりになった」と認識している人は4割ほどに落ち込み、やや期待外れだったことがうかがえる。一方で「操作が簡単」「時間の効率化」などの観点では利用前の期待を大きく上回る感想が寄せられている([発表リリース])。
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今調査は2011年5月20日から22日にかけてインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1250人。18-49歳の男女を対象に、現在プライベートでスマートフォンを保有・加入している人を対象にしている(会社支給のみの場合、複数台所有者は対象外。ただし従来型携帯電話との併用は回答対象)。また、4年以上の人も対象外。男女比は1対1、年齢階層比は20代・30代・40代が400人ずつ・18-19歳は男性30人・女性20人。
スマートフォンは世間一般に広く認知されるようになったが、普及率はまだまだ汎用の携帯電話と比べて低い。何らかの機会を経て見て聞いて触った上で、「自分がもし使うようになったなら」と色々想像する面もあるに違いない。今調査ではスマートフォンの特性、利用者の感想、世間一般のイメージなどからいくつかの項目を創生し、「使用前のイメージ」「使用後の感想」それぞれについて同意するか否かを尋ねている。
↑ スマートフォンへの評価…使用前(期待)と使用後(感想・実際)
利用前の感想としてもっとも同意率が高いのは「情報収集がしやすい、即時に出来る」、それに続く形で「パソコン代わりになる」「遊び道具として使える」「格好いい」「新しい経験ができる」などがある。
しかし実際に使って現実を知った後の感想としては、「情報収集がしやすい、即時に出来る」は利用前の想像そのまま、むしろ予想以上の回答率が出ているが、「パソコン代わりになる」「新しい経験ができる」は大いに使用前回答率を下回っている。冒頭で使った表現を用いれば「期待外れ」。他方「時間の効率化」「操作が簡単」という点は利用前の想像を大きく上回っており、「良い意味で期待を裏切られた」形。
これを使用前・使用後の差異を計算した上でグラフ化すると次の通りとなる。
↑ スマートフォンへの評価…使用後(感想・実際)における使用前(期待)からの変移
オレンジ色が長いほど期待外れの面が大きく、青色が長いほど期待以上の結果ということになる。「パソコン代わり」「格好いい」「新しい経験ができる」などで大きく期待に添えない状況が確認できるが、一方で「情報収集がしやすい、即時に出来る」「操作が思ったより簡単だった」「時間の効率化が予想以上にできた」「対人コミュニケーションが活性化した」など、主に実用ツールとしてのスマートフォンの価値が高く評価される結果が出ている。
昨今のスマートフォンでは格好良さや新体験が出来ること、パソコン代わりになることを高らかにうたう新商品が増えている。あまりオーバーな期待をかけさせると、現実に直面したときの「がっかり感」が気になるところ。一方で実用ツールとしての使い心地は、多くの人の期待以上の実力を発揮しているようだ。
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