【更新】「近寄らないで」は女性が厳しい反応
2011/09/04 06:41
江碕グリコは2011年8月31日、「人との距離感覚に関する意識調査」の結果を発表した。それによると調査母体においては、他人の異性が自分の「密接距離」内に入り込むことを許さない割合は、男性よりも女性の方が多いことが明らかになった。特に女性は40代以上の男性に対して「緊密な距離に近づくことを許容しない」と判断する人が6割以上に達している。また、他人との距離が近づいた際に、相手の気になること・不快に覚えることの最上位には「口臭」がトップについている([発表リリース])。
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今調査は2011年8月15日から16日にかけてインターネット経由で就業者に対して行われたもので、有効回答数は824人。男女比は1対1、年齢階層比は20代から50代まで均等割り当て。
同調査では人と人との距離を「対人距離に関するホールの定義」(Hall,E.T.:「The Hidden Dimension」)に基づき、『密接距離(15-45センチ)』『個人的距離(45-120センチ)』『社会的距離(120センチ-360センチ)』『公衆距離(360センチ以上)』と定義。今件項目ではそのうち、密接な関係か、明らかな敵対関係にある間柄の距離として定義される「密接距離」について質問している。
「密接距離」は非常に親しい間柄にだけ許される接近距離(明らかな敵対関係は状況がまったく別物なので、今件では除外)。逆にいえば親しい間柄で無ければ、そのエリア内に侵入してほしくない領域でもある。そこで男女それぞれに一般的な問題として、「何十代の世代の、第三者の異性が『密接距離』に入ることを許容できますか」と尋ねた結果が次のグラフ。例えば「男性が許容」では78.4%が「許容できる」と回答しているので、調査母体の男性のうち78.4%が「第三者でも女性の20代が密接距離に近づいても(程度はともあれ)許容できる」と回答していることになる。
↑ 異性の年齢別・家族や恋人、パートナー以外の異性と接する際の許容できる「密接距離」までの接近
全般的には男性よりも女性の方が赤部分が多い。つまり女性の方が「第三者の異性(男性)に無用な距離まで近づくのを好まない」傾向がある。異性の相手が30代までならそれなりに許せる傾向があるのは男女共通だが(それでも女性は4割強は「許容できない」としている)、女性になると相手の男性が40代の時点で半数以上が拒否反応を示している。女性がいかに自らの「なわばりエリア」への「異性の第三者」の侵入に気を使っているかが分かる(満員電車での通勤は女性の方が、苦痛をより強く感じているものと思われる)。
元々これは生物(せいぶつ)としての警戒心の問題による結果という点もあるが、それと共に今調査では「(プライベートな領域の)密接距離には、仕事の領域では入ってほしくない」「ニオイの問題」の2点を問題として挙げている。次の項目はそのうちの後者、香りを中心とした衛生上の問題から、「(密接距離に入るような事例を含め)人との距離が近づいた時に、気になることや不快に感じること」を複数回答で尋ねたもの。「口臭」「体臭」と香り関係がそれぞれ8割超で多くの人の同意を集める結果となった。
↑ 人との距離が近づいた時、相手の気になること、不快に感じること(複数回答)
香水や体臭はよく耳にする話ではあるが、それらと比較すると口臭という意見多いのが意外に思えるかもしれない。しかし体臭以上に口臭は他人への指摘がしにくく、さらに自分自身では分かりにくい事例も多い。口臭の有無は知っていても、どの程度のものなのかまで把握している人はあまりいないだろう。そのため、自分自身の口臭の改善模索は、ついおざなりにされてしまいがち。しかし実際には体臭と同レベルまで他人は気にしている。その事実は知っておいた方がいいだろう。
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