若者携帯シニアはパソコン、スマホはこれから…ソーシャルメディア利用時の主要端末(2011年版情報通信白書より)
2011/09/04 12:00
総務省は2011年8月9日、2011年版の【情報通信白書】を公開した。構成要素の多くは以前【携帯電話とパソコンの所属世帯年収別利用率(2010年分データ反映版)】でも紹介した「通信利用動向調査」の結果を元にしているが、一方で他にも色々な資料を元にした注目すべきデータを収録しており、資料性の高いものとなっている。今回はその中から、ソーシャルメディア(今件ではmixiやFacebookなどのSNS以外に、ツイッターなどのミニブログ、ブログや掲示板なども含む)を利用する際の主要端末について見て行くことにする(【該当ページ:第3章 「共生型ネット社会」の実現がもたらす可能性(1)ソーシャルメディアの利用状況】)。
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今件項目は一次的には携帯電話(スマートフォン含む)・PHSを所有する人に対してインターネット経由で2011年3月に行われた調査結果を元にしている。調査対象は被災地域(青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、千葉県)をのぞく全国で、有効回答数は3171人。男女比はほぼ1対1、年齢階層比は10代-50代でほぼ均等、60歳以上区分は他世代区分の約4割増の人数。
昨今では高性能の一般携帯電話、そしてスマートフォンの普及により、持ち運びが出来る(モバイル)端末でも容易にソーシャルメディアへのアクセスが可能となった。位置情報発信やデジタルカメラ機能を合わせて使う事で、例えば「旅行先で撮影した写真をその場で日記に掲載し、自分の仲間に自慢する」といった、モバイル端末ならではの活用方法も楽しめる。
今件項目ではソーシャルメディアを利用する際に、どの端末を「主に」使うかを尋ねている。むろんソーシャルメディアを利用していることが前提となるが、これは【複数利用者は1/4…ソーシャルメディアの利用動向】にもある通り、現在利用中の人は約4割、利用経験はあるが現在使っていない人は1割、経験無しの人は5割近くに達している。
↑ ソーシャルメディアの現在の利用数、利用経験(再録)
この「現在ソーシャルメディアを使っている」42.9%の人に聞いた主要利用端末が次のグラフ。どの年代でも基本はパソコン。一方で若年層ほど携帯電話・PHSが多く、シニア層ほどパソコン率が高くなる。
↑ ソーシャルメディア利用に「主に」用いる端末(年代別)
もちろんこれは「主に」だから、例えば10代の(主に携帯を使っていると回答した)38.0%がパソコン経由では一切使っていない、(パソコンメインと答えた)54.9%が携帯経由では全然ソーシャルメディアにアクセスしていないわけではない。例えば自宅などではパソコンで、移動中には携帯電話で、という利用スタイルの人も多いだろう。しかしメイン回答した端末が一番多く使われているのも事実。
元々【やはり高齢者はケータイが苦手? ツイッターの携帯・PC双方利用率、10代は50%、60代はわずか5%】などにもあるように、個別のソーシャルメディアに対する調査でも、歳を経るほどパソコンをメインに利用するという回答事例が多い。画面サイズや入力周りの面倒くささを考慮すれば、パソコンの方がハードルが低く無難なのだろう。
逆にそのあたりをあまり気にしなくても済む若年層では、携帯電話・スマートフォンがソーシャルメディアへの主要アクセスツールとなる。また、パソコンを持てなくてもモバイル端末なら、という若年層も多いと思われる。これは【プライベートでは10代はケータイ、大人はパソコンでサイト閲覧…サイト閲覧時間の変移】あたりでも、特に10-20代で携帯電話経由でのサイト視聴時間が長いことからも裏付けられる。
一つ加えるとすれば、ごくわずか、数%ではあるが、スマートフォンをソーシャルメディアへのアクセスのメイン端末にしているとの回答も確認できる。操作・画像サイズ共に一般の携帯電話よりも使いやすさは上のため、今後スマートフォンそのものの普及と共に、この項目の値も増えて行くに違いない。
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