「緊急地震速報」が来た時の行動、トップは「家具から離れる」
2011/08/31 12:00
マクロミルは2011年8月25日、防災に関する意識調査結果を発表した。それによると調査母体においては、「緊急地震速報」が出た際にもっとも多くの人が取る行動は「倒れやすい家具から離れる」だった。次いで「ドア・窓を開けて出口を確保する」「ガス・電気を消す」の順で上位が占められている。一方で1割強の人は速報が来ても「特に何もしない」と答えている(【発表リリース】)。
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今調査は2011年8月16日から17日にかけてインターネット経由で行われたもので、有効回答数は928人。男女比は1対1、年齢階層比は15-19歳104人・20代-50代まで10歳区切りで206人ずつ。
2011年3月11日に発生した東日本大地震とそれ連動する幾度とない余震では、【あなたのケータイ、緊急地震速報受信の準備は出来てます?】などで解説している「緊急地震速報」の重要性が、あらためて認識されることになった。同時にその関連で携帯電話におけるサービスの重要性、またテレビ各局の放送姿勢など、さまざまな点が露呈されたことも忘れてはならない。
「緊急地震速報」そのものの仕組みは【気象庁の解説ページ】にもある通り、「感知した地震を基に発する情報」で、「地震そのものの予知」では無い。現在の規定では「最大震度5弱以上の揺れが予想されたときに、強い揺れが予想される地域に対し地震動により重大な災害が起こるおそれのある」場合、速報が出ることになる。
その「緊急地震速報」について、現時点で出された(ことに気がついた)場合、直後にどのような行動を取るかについて聞いた結果が次のグラフ。トップは約2割の「倒れやすい家具から離れる」だった。
↑ 強い揺れが来ることを事前に知らせる「緊急地震速報」がテレビ・ラジオ、携帯電話などから出された場合、あなたは直後にどのような行動をとりますか。(単一回答)
同じく気象庁の解説ページ【緊急地震速報を見聞きしたときは】では、置かれている状況によって対応に違いはあるものの、原則として「周囲の状況に応じて、あわてずに、まず身の安全を確保する」とある。よって「倒れやすい家具から離れる」は正しい選択といえよう。また第二位、第四位は状況によって優先順位が異なるものの、複数成しておきたい行動であり、いずれも正解といえる。第三位も可能なら手掛けておきたい。
意外に思えるのは(回答は少数派だが)「トイレに逃げる」。これは大抵の住宅の間取りで、トイレは「比較的しっかりとした柱で四方が囲まれている」「狭い空間を柱で囲んでいるので面積あたりの強化度が高い」などの特性があるからだ。もっとも100%確実にそうだとは言い切れないので、一度は自宅・勤務先・よく立ち寄る場所などの間取り、柱の配置なども合わせ、トイレの構造を確認しておくことをお勧めする。
一方、「緊急地震速報」が確認できても、特に行動をしない人も12.3%いる。この人に「何故何もしないのか」を聞いた結果が次のグラフ。もっとも多い回答は「何をしてよいか分からない」で約半数に達している。
↑ 「緊急地震速報」が出ても何もしない理由(しない人限定、複数回答)
「分からない」ということだが、これは先に記した気象庁の解説ページ【緊急地震速報を見聞きしたときは】を一読し、覚えておくだけで解決する。数秒、数十秒、たったそれだけの時間でしかないかもしれないが、行動しておくのと何もしていないのとでは雲泥の差が出る。
「精度が低いから何もしない」という意見も多い。しかしこれは【緊急地震速報の精度向上、震度過大事例28例のうち13例で改善を確認】を一例に挙げておくが、日々精度向上の努力は続けられている。そして何よりも「備えずに何かあった」よりは「備えて何も無い」方がはるかにマシであることを心に止めておかねばならない(大したことが無かった、あるいは何も無かったら「(大したことが)無くて良かったネ」と思うくらいの寛容さが欲しい)。
「緊急地震速報」そのものは、民放テレビの対応はともかく、モバイル端末周りでは状況は少しずつ改善しつつある。また【地震警報アプリYureMiru1.4β(ほぼ安定版)公開開始】にもあるように、公的データを活用したアプリの開発も各所で行われ、公開されている。
「速報」への対応の知識は(「緊急地震速報」を着信せずに)役に立たないのが一番だが、現実はそれほど甘くは無い。せめて「特に何もしない」が居なくなるよう、個々が留意してほしいものだ。
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