地震発生時の持出品、最優先は「携帯電話」
2011/08/30 06:35
マクロミルは2011年8月25日、防災に関する意識調査結果を発表した。それによると調査母体において、大きな地震が来た時に持って逃げるモノの最上位には「携帯電話」がついた。9割近い人が「地震が来たら携帯電話を持って逃げる」と答えている。ほぼ同数で「財布」が上位についており、多くの人にとって「携帯電話」は「財布」と同レベルで重要度が高い事、いざという時に役立つと判断されていることが分かる結果となっている(【発表リリース】)。
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今調査は2011年8月16日から17日にかけてインターネット経由で行われたもので、有効回答数は928人。男女比は1対1、年齢階層比は15-19歳104人・20代-50代まで10歳区切りで206人ずつ。
2011年3月11日に発生した東日本大地震とそれに絡む各種震災では、地震をはじめとする各種天災における、日用品の重要性・必要性を再確認させる機会にもなった。今後大きな地震があった際、どのような物品を持って逃げるかについて尋ねた結果が次のグラフだが、最上位、他の項目と大きく差をつけて上位についたのが「携帯電話」と「財布」。
↑ もしも、大地震が起きたらあなたは何を持って逃げますか(複数回答)
【東日本大地震発生直後、もっとも役に立ったのは「NHKテレビ」】などにもあるように震災後の情報取得端末として、さらには情報発信も出来るツールとして、携帯電話はこれまで以上に評価を高めることとなった。今回調査結果もそれをあらためて確認できるもので、9割近くの人が持ち出しをすると回答している。
個々の事情にもよるが、可能ならば提示された項目すべてを持参したいところ。だが、時間的・重量的な問題から、それは事実上不可能。そこでせめて上位陣を防災袋に納めておき、いざという時はその袋を手にすることで多くの用品を一度に持ち出せるようにしたいものだ。
一方、複数回答では無く「一つだけ」と限定した場合、「携帯電話」と「財布」の位置関係に興味深い動きが確認できる。
↑ もしも、大地震が起きたらあなたは何を持って逃げますか(一つだけの場合)
複数回答ではほとんど差異の無かった「携帯電話」と「財布」だが、一つ限定となると2倍以上の差が出てしまっている。多くの人が「まずは何よりも携帯電話」という認識を持っていることが、あらためて確認できる。
また各項目は一つ目のグラフ、つまり複数回答時の回答率順と同じ序列にしてあるが、必ずしもその並びが「一つだけ」の順位とは一致していないことも分かる。回答者個々の事情が強く出ている(たとえば「ペット」)。
なお、やや蛇足になるが、同じような設問(「一つだけ持参」)を2009年に行った時の結果と併記すると、この2年間の価値観の変移が見て取れる。
↑ もしも、大地震が起きたらあなたは何を持って逃げますか(一つだけの場合)(経年)
2009年時点では「一つだけ」でも「携帯電話」と「財布」はほぼ同列だった。しかし今回の調査では両者間には大きな差が開いている。それだけ一人ひとりの生活における携帯電話の重要性が増したと考えて良い。また、「ペット」が地味ながらも上昇しているのも、注目に値する動きといえよう。
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