節電周りのアイテム、太陽光発電機は6割強が「欲しいナ」
2011/08/27 19:30
東京工芸大学は2011年8月22日、家庭での節電に関する意識調査結果を発表した。それによると調査母体においては、電力(=節電)関連商品やサービスとして、「LED照明」をすでに購入・導入している人はおよそ1/4に達していることが分かった。また未導入の人でも7割近くが「将来購入したい」と考えている。家庭用の太陽光発電ユニットとなると実導入は5%に過ぎないが、6割以上の人が購入意欲を見せており、ニーズは高い状況が確認できる(【発表リリース、PDF】)。
スポンサードリンク
今調査は2011年7月25日から28日にかけて携帯電話を使ったインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1000人。男女比は1対1、年齢階層比は20代・30代・40代・50代で均等割り当て。
昨今の電力需給事情を背景に、世帯単位でも積極的な節電(やみくもな「まずい節電」では無く「賢い節電」)への興味関心が高まっている。すだれを購入して室内温度の上昇を防ぎ、エアコンの効率を高めようというのも一例。また初期投資は多少高くつくが、一度配すれば中期的な節電・節約が望めるLED電球の導入も、よく知られる対策ではある。
今項目では代表的な5つの電力関連商品・サービスを提示した。LED照明の導入や家庭用の太陽光発電ユニットの装備、電気自動車など、家庭レベルで導入が可能なものばかり。そしてそれらに対し、すでに購入・購入を決定しているか、現在はその予定は無いが将来購入したいという意欲を持っているか、購入するつもりはないか、さらには「聞いたことがない」かの選択肢の中から、自分が当てはまるものを選んでもらった結果が次のグラフ。
↑ 次の電力関連商品・サービスを購入したいと思うか
「LED照明」はペンダントの差し替えが要らないレベルでの導入ならば、例えば白熱電球や蛍光電球をLED電球に入れ替えるだけで可能なので、手間は一番かからない。明るさや光り方が好みに合わない場合がある、単価が高いなどの難点もあるが、最近では【セブン&アイHD、セブン-イレブンなどで1280円の「セブンプレミアム LED電球」発売】のように大手から安価なものも市場に出回り始めている。この「LED照明」はすでに24.2%が(一部、可能な限りなど転換度は別として)導入済み、さらに69.2%は「将来購入したい」と購入意欲を見せている。合わせると9割を超え、LEDは今後も大いに浸透しそうな雰囲気がある。
一方「家庭用太陽光発電機」を導入済みは5.0%「風力」は1.3%でしかない。むしろこれだけあれば良い方とも思えるが、現時点の普及率は低い。完全に使用電力をまかえるわけでは無い事、メンテナンスや設置場所、そして何よりも初期投資コストの高さがネックとなっている。しかし導入意欲は決して低くなく、特に「太陽光」では63.1%の人が「将来購入したい」と答えている。その「購入したい」には「コストパフォーマンス的に折り合いがつけば」という前提があるにせよ、積極性には注目すべき(風力は「思わない」が過半数を占めており、同じ自然エネルギーでも「太陽光」と比べて敬遠されているのも分かる)。
「電気自動車」「電力の見える化システム」は既存導入率の低さもさることながら、導入否定派の割合も大きい。コスト以外に前者は航続距離やインフラの整備など現行における使い勝手の悪さによるところが大きいし、後者はそもそも論として「知らない」人が多い。この「電力の見える化システム」は【電気使用の「アクセス解析」こと「スマートセンサー」とは?】で詳しく説明しているが、自宅内の電気の使われ方をリアルタイムに確認し、無駄をなくすための分析を行うもの。ブログのアクセス解析のようなものだと思えばよい。そして住宅丸ごとのチェックとなるとコストもかかるが、【ワットモニター 購入・試用】で紹介したワットモニターなどなら、家電単品でのモニタリングながらも安価で気軽に確認ができる。
「太陽光」「風力」は「家庭で気軽に導入」のレベルに達するにはまだ時間がかかりそうだし、「電気自動車」は自動車そのもののニーズの問題以外に、技術革新やインフラ整備任せなところがあるため、こちらも多くの人にとっては「待ち」の状態。他方「LED照明」や「電力の見える化システム」は、比較的低コストで購入・利用が可能。知らない人はこの機会にチェックし、色々と吟味した上で導入・利用を試みてほしいものだ。
スポンサードリンク