節電対象の家電はトップがエアコンで約7割、次いで照明・テレビ
2011/08/26 12:10
東京工芸大学は2011年8月22日、家庭での節電に関する意識調査結果を発表した。それによると調査母体においては、使用の際に節電を心がけている・使用を控えている家電としてもっとも多くの人が回答したのは「エアコン」だった。7割強の人が節電対応をしている。男女別では全般的に女性の方が回答率が高く、特に冷蔵庫以外の家事周りの家電で男性を大きく上回る結果が出ている(【発表リリース、PDF】)。
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今調査は2011年7月25日から28日にかけて携帯電話を使ったインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1000人。男女比は1対1、年齢階層比は20代・30代・40代・50代で均等割り当て。
昨今の電力需給事情を背景に、多くの地域で年間の最大電力需要時期となる夏期の節電対策として、多種多様な電気機器の省エネタイプへの差し替え、節電方法の啓蒙などが行われた。一般世帯でもLED電球の導入やすだれの配置、照明機器のこまめな消灯など、あちこちと気を配った人も少なくない。
今調査項目では、使用する際に節電を心がけている、あるいは使用そのものを控えている家電について、複数回答で尋ねている。トップについたのはやはり「エアコン」で、7割強の人が節電対応をしていた。
↑ 使用する際に節電を心がけている(または、節電の為に使用を控えている)家電(複数回答)(上位10位まで)
次いで多いのは6割強で「照明器具」、やや数字は落ちて4割強の「テレビ」、そして4割近くの「トイレ(温水洗浄)」などが続いている。【「家庭での節電計画を分かりやすく・スマートに」を考えてみる】でも示しているが、家庭部門のピーク時における電力需要としては連続運転をしがちで電力消費量も大きく、節電周りの話題にも登りやすい「エアコン」が節電対象の筆頭に挙げられるのは当然といえる。
これを男女別に見ると、自宅でも男性の利用機会の多さが容易に想像できるパソコンをのぞいた上位全項目で、女性の方が高い値を示しているのが分かる。
↑ 使用する際に節電を心がけている(または、節電の為に使用を控えている)家電(複数回答)(上位10位まで)(男女別)
【計画停電後節電実行率は3/4に・男性より女性が積極的】や【計画停電以降の節電方法、「マメに消灯」「暖房我慢」】などでも解説しているが、元々女性は節電に敏感に反応しているのに加え、家庭環境に居る時間が長く、節電を行える機会が多いのが「女性の値が男性よりも高い」要因と思われる。「エアコン」や「テレビ」などの日用品よりも「電子ポット」「炊飯器」「洗濯機」などの家事用品での男女差異が大きいことからも、納得ができるというものだ。
ところで節電対象の最上位にある「エアコン」だが、無理な利用自粛、設定温度の調整をすると、熱中症などの健康リスクを生じかねない。実際、特にシニア層において、エアコンの利用を控えたのが原因と思われる熱中症での搬送事例が、何度となく報じられている。現時点ではいわゆる「電力使用制限令」の時間帯以外は過度の節電は求められていないし、ましてや生命の危険と天秤にかける必要は無い。また誤解されている部分もあるが、例えば(無駄な利用でなければ)健康リスクを冒してまで夜間のエアコン利用を止めることは求められていない。
省エネ・節制のための節電と、昨今の電力事情の節電は、似ているようで一部異なる部分もある。その点を十分に注意した上で「まずい節電」ではなく、「賢い節電」を心がけてほしい。
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