レゴとAR(拡張現実)の関係を色々と拾ってみる
2011/08/24 12:10
これまでにも【誌上で試乗ができるARアプリ】や【疑似体験で観光が何倍も楽しくなるARアプリ】など、スマートフォンの普及によって多くの人が気軽にAR(Augmented Reality(拡張現実・強化現実))を楽しめる環境を手に出来るようになったことで広がりを見せる、ARの可能性について紹介した。一方、先日姉妹サイトで【遊びでも活躍するAR技術...レゴとの融合】をはじめ、色々な「ARを使った仕組み」を解説する動画を紹介したが、その中でも海外のブロック系おもちゃ「レゴ(LEGO)」とARとの相性が、意外に良い事に気がついた。今回は動画をいくつか探り、古いものから新しいものまでいくつかピックアップし、LEGOとARの組合せを眺め見ると共に、ARそのものの可能性にも触れてみることにしよう。
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↑ LEGO Manual With ARToolKit。
まず一つ目は、姉妹サイトで紹介した「AR マニュアル」。右中央部にあるロゴを読み込ませて指定した、造形を創り上げるためのパーツを、ARで案内してくれる。画面に従い指示された場所に、指示されたブロックを配していけば、望んでいた造形が出来上がるという仕組み。
紙の説明書では複数工程になると、絵の枚数が増えて読むのに難儀したり、別の方向からはどのように見えるのかまでは分からないため、「この場所で本当に良いのか」と悩んでしまうこともありうる。しかしこの「AR マニュアル」なら心配は無用。
↑ Animated Lego Digital Box at Downtown Disney Orlando。
↑ Lego Augmented Reality。
続いてはアメリカのおもちゃ屋さん(複数個所で確認できるので、汎用システムのようだ)で提供されている、レゴ販促用の仕組み。専用のモニタの前にレゴのセットを持っていくと、そのセットでレゴの完成品が箱の上に載った状態で画面上に表示される。ヘリコプターならプロペラをぐるぐると回転させ、踏切セットなら自動車が通ると踏切がちゃんと降りるというギミックまで表示される。
仕組みとしてはシンプルだが(そしてスマートフォン経由のものではないが)、完成品の姿がパッケージ写真ではなく、ARによって立体的な造形で目の前に現れ、しかもそれを自在に動かせる。触れることはできないが、箱を動かすとそれに従って完成品も動く。子供の購買意欲はうなぎ登りになること必至。何しろ未来の「完成品を手に持つ」自分の姿が、目の前の画面に映っているのだから。
↑ LEGO Platformer game - Mobile Augmented Reality。
最後は発想の転換的なARによる仕組みの提供。【創作意欲が炸裂状態なアプリ・学研電子ブロック for iPad無料配信】で紹介した「電子ブロック」的な情報を、個々のレゴブロックに持たせ(専用のブロックには情報取り込み用のラベルシールが貼ってある)るというもの。ブロックの組合せで、正しいルートを創り上げる。上手にルートを創った上で、画面上でキャラクタを操作し、ゴールまでたどり着けることが出来れば、クリアという次第。
今回は紹介しきれなかったが、ARの画面を再現するために読み込ませるマーカーそのものをレゴで構築し、販売促進につなげるシステムも展開されている。また、今回の仕組みはレゴで無くとも応用が効きそうなものもあり、興味深いものがある。例えば二番目の「完成品の姿を自分の手で-」あたりは、立体形のアイテム、一例をあげれば各種フィギュアやプラモデルで容易に流用できるはず。
今回のレゴの事例に限らず、スマートフォンの普及率が高まり、保有しているか否かを配信側が気にしなくても済むようなレベルにまで達すれば、ARの活用も今まで以上に広まっていくに違いない。
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