9割超が写真撮影、8割強がネットへのアクセスあり…より生活に密着する米スマートフォンの実態
2011/08/20 06:29
アメリカの調査機関【Pew Reserch Center】は2011年8月15日、アメリカにおける一般携帯電話とスマートフォンの利用性向に関する調査結果を発表した。それによると調査母体においては、スマートフォンの所有者は一般携帯電話所有者よりはるかに多種多様な機能を積極的に使いこなしていることが分かった。たとえば端末利用の写真撮影の経験は一般携帯電話が59%なのに対し、スマートフォンでは9割を超えている。また、提示された各種機能において、一般携帯電話では平均で2.5種類の機能が使われているのに対し、スマートフォンでは9.0種類という回答が出ている(【発表リリース】)。
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今調査は2011年4月26日から5月22日にかけて、18歳以上の人に対して電話(固定電話と携帯電話)でRDD形式(Random Digit Dialing、乱数で創り出した番号に電話をかける方法)によって選択された対象に、英語とスペイン語で行われたもので、有効回答数は2277人。回答時に利用した電話は、固定電話は1522人、携帯電話は755人。インターネットを利用している人は1701人。携帯電話保有者は1914人(そのうちスマートフォンは688人・それ以外の一般携帯電話は1226人)、ツイッターなどのソーシャルメディア利用者は1015人。さらに性別・年齢・教育経歴・人種・使用言語などの各種区分において、アメリカの国勢調査結果に基づいた調整が行われている。
以前【アメリカの35%はスマートフォン持ち、8%は「ネットアクセスのメイン機種」】でも示したように、アメリカではすでに1/3強の人がスマートフォン所有者とされている。誤差を考慮して3割程度としても、相当な普及率といえる。そのスマートフォン所有者と、他の一般携帯電話所有者それぞれに、例示した機能を手持ちの機種で使ったことがあるか否かを尋ねた結果が次のグラフ。
↑ 次の機能をその端末で使ったことがあるか(それぞれの端末保有者内比率)
全部で15種類の機能が例示されているが、スマートフォンはともかく一般の携帯電話では対応していない・十分に使えない機能もある。当然利用性向はスマートフォンの方が高く、利用平均機能数はスマートフォンが9.0なのに対し、一般携帯電話では2.5に留まっている。
高性能のスマートフォンでもSMSの利用が最多というのは、日本の感覚で見ると少々不思議なところもある。しかし利用スタイルでは、日本の電子メールのやりとりが欧米ではSMSの利用に該当することを考えれば、納得は行く。その他写真の撮影や、その写真などを他人に送る機能は比較的多くの人が、一般携帯電話でも用いている。
他方スマートフォンでは多種多様な機能が用いられている。元々高機能なのが最大起因だが、特に「インターネットへのアクセス」の値に見られるように、「パソコンに近い使い方ができる」スマートフォンに対する期待と、それに応える実機による結果といえる。
「持ち運びが出来る、お手軽なパソコン」的なスマートフォンの活用。この位置づけ、立ち位置は、上記にある機能別利用性向以外に、さまざまな利用スタイル・状況下での反応にも現れている。本文ではその一部が紹介されているが、例えばスマートフォンユーザーにおいては、
・暇な時間が出来た時に、その暇つぶしとして使った人は72%
・過去一か月の間に、アクセス速度の遅さでがっかりした人は36%。大量の文章を読み込む際のスピードで不満を覚えた人は22%、文字の入力で難儀した人は12%
・過去一か月の間に、スマートフォンの持参を忘れて困った経験をした人は34%
・過去一か月間の間に、周囲に邪魔されないよう(アピールするため)スマートフォンを使ったことがある人は20%
などとなっている。一般携帯電話以上に高機能な、頼りになるスマートフォンは、それゆえにこれまでの携帯電話以上に「欠かせない相棒」たるポジションを占めているようだ。
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