【更新】世代・性別で色々異なる音楽入手ルート
2011/08/17 06:27
2011年8月14日付けて公開した記事【アニメや特撮ファンの消費行動パターン】でも伝えているが、博報堂DYメディアパートナーズなどが同年7月12日に公開した、エンタテインメントやスポーツなどに代表されるコンテンツに対する生活者の消費行動実態を調べた「コンテンツファン消費行動調査」の[発表リリース(PDF)]、さらには当方請求により得られた追加資料をベースに、「コンテンツファンの消費行動様式」をチェックしている。今回は「音楽」の利用者における、男女・世代別の利用性向を眺めてみることにしよう。
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今調査は2011年1月29日から30日にかけて全国の15-69歳の男女に対してインターネット経由で実施されたもので、有効回答数は4000サンプル。全国7エリアを人口構成比及び性・年代で割り付けしているので、地域・性・年代による偏りは最小限に留まっている。
また、コンテンツファンの行動・レポート内用語などは先行する記事「アニメや特撮ファンの消費行動パターン」にて解説しているので、そちらで確認してほしい。
今調査における「音楽」コンテンツの「利用者」は2008人。それらの人に、どのようなルートで「音楽」を入手しているのか(有料・無料を問わず)、複数回答で聞いた「全体的な」結果が次のグラフ。
↑ 音楽コンテンツ利用層における入手ルート(複数回答)(再録)
この結果について男女別、及び世代別に再集計を行ったのが次からのグラフであり、今回の本題。まずは男性だが、若年層が高めな項目は赤矢印、シニア層が高めな項目は青印でその場所を指し示している。
↑ 音楽コンテンツ利用層における入手ルート(複数回答、上位項目のみ)(男性)
「レンタルショップ」は世代を超えて利用率が高い一方で、「YouTube」「iTunes」「ニコニコ動画」「ネットの無料ダウンロード」などは若年層が飛びぬけているのが分かる。「ニコニコ動画」は利用者全員が完全無料で使用できるわけではないが、全般的に「男性若年層の音楽コンテンツの無料取得が進んでいる」と見ることが出来る。特に「YouTube」は10代で、「レンタルショップ」に次ぐ大きな値を示している。
一方でやや意外なのは、「アマゾン」や「楽天などのネット通販」の利用率はシニア層の方が高い事。後述する女性にもいえることだが、中堅・シニア層共に音楽好きは積極的にネット通販を活用し、楽しんでいるようである。
続いて女性。
↑ 音楽コンテンツ利用層における入手ルート(複数回答、上位項目のみ)(女性)
全体的な傾向に大きな変化はないが、男性と比べると上位項目の回答率が高く、やや偏りが生じているように見える。また、高回答率項目の値が大きめなのも特徴の一つ。あちこちに手を出さず、見極めたツールをとことん使いこなすということか。特に「YouTube」の10代利用率は4割を超えて、「レンタルショップ」に次ぐ立ち位置を占めている。
また、「楽天などのネット通販」が高齢者ほど高利用率を示してるのも男性と同じ。ただし「アマゾン」は世代間の格差がほとんどなく、この点は男性と傾向を異にしているといえよう。
色々と気になる傾向が見られるが、中でも「男女でやや差異はあるものの、10代のネット経由による無料取得と思われる入手性向の高まり」と「中堅層以降のネット通販の積極活用」は、大いに注目したいところだ。売上という観点、啓蒙公知という観点それぞれにおける市場構成を考察したい場合、特に留意すべきポイントといえよう。
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