【更新】レンタルショップが一番、次いでアマゾン…音楽入手ルート

2011/08/15 06:24

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レンタル先に【アニメや特撮ファンの消費行動パターン】でお伝えしたように、博報堂DYメディアパートナーズなどが2011年7月12日に発表した、エンタテインメントやスポーツなど、主要9ジャンルのコンテンツに対する生活者の消費行動実態を把握する「コンテンツファン消費行動調査」の[発表リリース(PDF)]と、請求で得られた追加資料を元に、「コンテンツファンの消費行動様式」をチェックしている。今回は「音楽」の利用者における、全般的な利用性向を眺めてみることにしよう。



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今調査は2011年1月29日から30日にかけて全国の15-69歳の男女に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は4000サンプル。全国7エリアを人口構成比及び性・年代で割り付けしてあるため、地域・性・年代による偏りは最小限に留まっていると考えて良い。

また、コンテンツファンの行動・レポート内用語として

「興味」……そのジャンルに対して興味・関心がある
「利用」……過去一年に、鑑賞・閲読・観戦・購入などの商品やサービスを利用したことがある(無料での利用含む)
「ファン」……特定の作品に対してファンである(作品名を対象者が自由回答で記入)(世間一般的な「ファン」という言葉の認識に該当していると自認している)
「支出」……過去一年に、そのジャンルの商品やサービスに実際にお金を使ったことがある

と定義している。例えば特定コンテンツに対して「ファン」ではあるが「支出」していない(特定テレビドラマのファンで、テレビ視聴のみ)、逆に「ファン」では無いが「支出」している場合(ゲームのファンではないが好きなタレントグループが出演しているので購入する)もありうる。

今調査における「音楽」コンテンツの「利用者」は2008人。それらの人に、どのようなルートで「音楽」を入手しているのか(有料・無料を問わず)、複数回答で聞いた結果が次のグラフ。

↑ 音楽コンテンツ利用層における入手ルート(複数回答)
↑ 音楽コンテンツ利用層における入手ルート(複数回答)

もっとも多い回答項目は「ツタヤなどのレンタルショップ」で45.7%。次いでネット通販の中でも「アマゾン」に限定した項目で36.8%。「音楽」利用層においては、アマゾンの立ち位置が非常に高い場所にあるのが分かる。次いで「HMVやTOWER RECORDなどの大型音楽専門店」「楽天などのネット通販」、そして「YouTube」と続いている。

原則無料公開の「YouTube」が音楽取得ルートとして第5位に入り、回答率が2割を超えているのは、注目に値する動きといえる。もっとも逆にいえば「原則無料ルート」は最大項目でも2割強でしか無い、とも表現できる。

今グラフは「使っているルート」すべてを挙げたもの。そこで「もっともよく使っているルート」を一つだけ回答してもらったのが次のグラフ。やはり「レンタルショップ」が最上位で1/4ほど。「アマゾン」がそれに続き「HMVやTOWER RECORDなどの大型音楽専門店」「楽天などのネット通販」の順となっている。

↑ 音楽コンテンツ利用層における入手ルート(もっともよく利用、択一)
↑ 音楽コンテンツ利用層における入手ルート(もっともよく利用、択一)

つまり対価を払って「音楽」コンテンツを入手するルート上位4位については、単純利用者の多くが、そのルートの常連者足りうるということだ。これを分かりやすくするため、「単純利用者」のうち、「もっとも良く利用する」人の割合を算出してグラフ化したのが次の図。例えば「レンタルショップ」は55.1%と出ているが、これは「レンタルショップを単純に利用している人のうち55.1%は、他のルートではなくレンタルショップをもっともよく使っている」ということになる。値が低いほど他のルートも使う頻度が高く、「ついで」「二次的、三次的利用」でしかないということ。

↑ 音楽コンテンツ利用層における入手ルート(単純利用者のうち「もっともよく利用する」人の割合、単純利用者の上位項目のみ)
↑ 音楽コンテンツ利用層における入手ルート(単純利用者のうち「もっともよく利用する」人の割合、単純利用者の上位項目のみ)

「レンタルショップ」の利用者は半数以上が最多利用層でもある。ネット通販はアマゾンもその他楽天なども4割強と高め。「大型音楽専門店」はやや数字が落ちるが、それでも4割近くは一番使っている。

無料で利用できるという範ちゅうの項目を見ると、単純利用率がもっとも高い「YouTube」は29.0%。そして「ネットの無料ダウンロード」は35.1%にも達している。「レンタルショップ」「アマゾン」などと比べれば傾注度は低いが、それでも3割前後の人が「YouTubeを音楽取得のルートとして使っているし、もっとも良く使っている」「ネットの無料ダウンロードを-」と答えている計算になる。

これを「もっとも良く使う」「使っているが一番では無い」に区分した上で「音楽を利用する人の割合」について積上げグラフにしたのが次の図。

↑ 音楽コンテンツ利用層における入手ルート(単純利用者のうち「もっともよく利用する人」とそうでない人の割合、単純利用者の上位項目のみ)
↑ 音楽コンテンツ利用層における入手ルート(単純利用者のうち「もっともよく利用する人」とそうでない人の割合、単純利用者の上位項目のみ)

これは例えば、音楽利用者2008人のうち、「レンタルショップ」利用者で「レンタルシップをもっともよく使う人」は25.2%。「レンタルショップを利用するが、一番では無い人」は20.5%。そして合わせた「45.7%」=「レンタルショップの利用者全体」のうち、「もっとも使っている人」が占める割合は55.1%という意味である。

このグラフで見ると、「レンタルショップ」に「アマゾン」が肉薄していること、とはいえ「レンタルショップ」は現時点では圧倒的かつ強い支持を受けていること、「大型音楽専門店」はやや落ち目(利用者全体中『もっとも』比は36.4%と他項目と比べて低め)の傾向にあることが分かる。また色々と目の敵にされている「YouTube」だが、「他のツールとの併用」率は高いものの、「一番使っている」のは6.1%でしかなく、「小型音楽専門店」「ネット通販・販売サービス」と大きな違いはないのが分かる。

項目で有料取得・無料取得がほぼ特定されることを考えれば、「少なくとも全体では」音楽コンテンツ取得の無料への流れは少数派で、有料ベースのものが支配的であることが再確認できる。それと共に、アマゾンや楽天などの大手通販ポータル系サイトの利用性向が高めなのも見て取れるというものだ。


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