使うたびに効用がじわじわと分かるメモパッド
2011/08/16 06:23
付せん、あるいはメモパッドは構造がシンプルで使われ方に個人差があまり無いため、段階的に進行していく物事を表現する広告手段として使われることがある。例えば以前紹介した【使うたびに頭が切なくなるメモパッド】が好例だ。今回紹介するのもその特性を活かしたもので、毎日の利用の中で「ある日常生活品」の効用をメッセージとして、使い手にじわじわと伝えるものである(I believe in Advertising)。
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↑ 該当するメモパッドを紹介した動画。
これは医薬品メーカーP&Gのブランド「Oral-B」(オラルビ)がブラジルで展開したプロモーション。日本でもブラウン経由で色々と関連商品が発売されているが、「Oral-B」は歯の白さを保ち、ホワイトニングの効用を持つ歯ブラシや歯磨き粉を提供している。
ペンキを塗るような即効性は無いが、毎日丹念に使い続けることで、少しずつヤニなどで黄ばんでいたり汚れが目立っていた歯が、少しずつキレイになり、元の白さを取り戻していく。その「じわじわとした、確実な汚れ取り」を手軽に、そして安価に知ってもらうために用意されたのが、このメモパッド。P&Gとつながりのある歯医者さんに「良かったらお使い下さい」とばかりに4つセットで配布された。
外周りのパッケージは「Oral-B」の歯磨き粉。そして中身はごく普通の黄色いメモパッド。各メモパッドの左下には「使えば使うほど、歯は白さを取り戻します。Oral-Bのホワイトニングの効用をお試しください」とある。
↑ 一つ一つのメモパッドはこのようなシンプルなもの
パッケージにも歯磨き粉が描かれていたこともあり、「商品紹介用のコピーとして自己主張代わりに書かれているだけだろう」と軽い気持ちで読み通し、日々の事務作業などでメモパッドを使っていく。
ところが使っていくうちに、メモパッドの黄色が段々と薄くなっていく。そして最後には真っ白なものとなる。
↑ 下に行けば行くほど黄色が薄くなり、そして最後には白いメモパッドに
そこで「Oral-Bを継続使用することで得られる歯の白さ」と「メモパッドを継続使用する事で変わっていくメモパッドの白さ」をかけていることが分かる。
日々の使用でじわじわと、しかし確実に効果が出る様子を、別の行為で体感できる仕組みを提供する。しかもコストはあまりかからないし、使い手も迷惑することなく、日常生活の中でごく普通に使いこなせていく(特殊な形・大きさのならともかく、ごく普通の四角形のメモパッドを邪魔者扱いする人は居まい)。シンプルだが訴えたいことがじんわりと伝わってくる、上手い切り口といえよう。
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