働き人が暑さ対策で買ったもの、トップは「うちわ・扇子」
2011/08/08 06:21
ライフネット生命保険は2011年8月5日、20代から50代の働き人を対象にした「クールビズ」に関する調査結果を発表した。それによると調査母体においては、今年の夏の暑さ対策として自分自身や会社が購入したアイテムで、もっとも多くの人が同意を示したのは「うちわ・扇子」だった。全体では約3割が買ったと答えている。次いで「扇風機」「清涼スプレー」と続いているが、世代によって購入性向に違いがある商品も見受けられる(【発表リリース】)。
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今調査は2011年7月7日から11日にかけて携帯電話を利用したインターネット経由で働き人に対して行われたもので、有効回答数は1000サンプル。男女比は1対1、年齢階層比は20代334人・30代334人・40歳以上332人。
東日本大地震以降の電力需給問題や、その状況を受けての東北・東京電力管轄内での電力使用制限令、他の電力管轄でもそれに準ずる節電要請を受け、(少なくとも)今年の夏はこれまでに無い節電ムードが世間に広まっている。以前から金銭的な節約や省エネの観点からの節電行動の一環として、冷房温度について論議され「過度な冷房を控えよう」という動きもあったが(【エアコンの設定温度、男女差は大体何度?】)、エアコンの普及率が相当率になってからとしては、今夏が初めての話だろう(それ以前なら、いわゆる「オイルショック」が該当する)。
ともあれ、エアコンを控えた状態で涼を効果的にとるため、さまざまな工夫が凝らされている昨今だが、その対策としてどのようなアイテムが調達されただろうか。働き人という区分内における調査母体では、機動性に富み、自然体で利用でき、価格もお値打ちな「うちわ・扇子」がトップについた。全体では約3割が「購入した」と答えている。
↑ 今年の夏、暑さ対策のために自分自身や会社で買った物(複数回答)
第二位は「扇風機」。勤務先では書類などが飛び交うことになりかねないので利用には注意を要するが、家庭では相当ニーズが高まり、初夏の時期には量販店などでの品切れを伝える報道が相次いだ(省エネタイプやピークシフトが可能な充電タイプに特に人気が集まった)。
第三位の「清涼スプレー」は「うちわ・扇子」同様に高い機動性を備え、噴きつける事で気軽に涼を体感できるもの。虫よけスプレーと同じようなものだが、手っ取り早さに加え、うちわなどのように自分の労苦が要らないところが受けている。
以降「ネッククーラー」「冷却シート」など、エアコン以外の涼対策アイテムとしては昔から存在していたもの、あるいは存在していたが半ば忘れ去られていたようなものの復活戦の様相を呈しているのが分かる。家庭単位で人気が集まった「すだれ」は「日よけ」に含まれているのだろう。
これを世代別の値で見ると、それぞれの世代の好みが見えてくる。
↑ 今年の夏、暑さ対策のために自分自身や会社で買った物(複数回答)(世代別)
世代を超えてそれなりに人気があるものや、法則性が見出しにくいものもあるが、
・中堅層ほど人気……扇風機、ネッククーラー、日よけ
という傾向が確認できる。特に汗かきな営業職のサラリーマンには、清涼スプレーは便利なものだが、30代以降の人は多少の抵抗感を覚えるようだ。一方、ネッククーラーはともかくとして、扇風機や日よけの人気度が、歳を経るほど高くなるのは、世帯を持つことで家族単位での需要を強く覚えるのも、一因と考えられる。
別途解説することになるが、今調査では別項目で「熱中症対策の必要性」についても尋ねている。今件は「涼対策」でやや違いはあるものの、「暑さ対策」という観点では大まかな違いは無い。涼を取るスタイルは人それぞれ、趣向の自由。周囲への配慮と社会的常識の範囲内で、むしろそのアクションを楽しむくらいの気持ちで臨んでほしいものだ。
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