「もう一生この手は洗わない」が人生を変えていく携帯電話のCM

2011/08/02 07:03

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手アイドルや俳優などのイベントをはじめ、普段はテレビや新聞でしか見る事が出来ない有名人と握手する機会を得られると、「もう一生この手は洗わない」という感動の表現を使う事がある。「一生」というのは物理的に無理があり、精々半日でその意図は潰えてしまうものだが、その間に自分の「素晴らしい体験」を他人に伝える手段を得られたら、どのようなことが起きるのだろうか。今回紹介するのは、その想像を実際に映像化することで、自社商品の可能性を皆に伝えるコマーシャルである(【Creative Criminals】)。



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↑ Publicidad Movistar 2011 「Mano」 con Diego Forla'n 。
↑ Publicidad Movistar 2011 「Mano」 con Diego Forla'n 。

これはウルグアイで展開された、携帯事業会社Movistarのコマーシャル。ウルグアイ代表のサッカー選手ディエゴ・フォルラン(Diego Forla'n Corazo)氏と、ある掃除要員との出会いを描いたものだ。

とあるサッカー場でシュートの練習をしていたフォルラン氏。惜しくもシュートは外れ、そのボールが芝生の整備をしていた掃除要員の足元に。何気なくボールを拾う彼にフォルラン氏は笑顔で近づき、ボールを受け取って「ありがとう」との言葉と握手。国民的ヒーローとの劇的かつ突然の出会い、しかも握手までしてもらい、掃除要員はしばし呆然。

↑ ほんの数秒の出会い。これが芝刈りをしていた彼の運命を大きく変えていく。
↑ ほんの数秒の出会い。これが芝刈りをしていた彼の運命を大きく変えていく。

有名人と直接握手を交わした右手。昔なら冒頭にあるように「もう一生この手は洗わない」となるのだが、今はデジタル・モバイル時代。家に戻った彼は、自分の「フォルラン氏と握手した手」を自分のMovistar製携帯電話で撮影し、Facebookに投稿。「俺、あのフォルラン氏と握手したんだ、これがその手だよ」。


↑ 握手した瞬間を思い返しながら撮影。そのままFacebookに投稿。
↑ 握手した瞬間を思い返しながら撮影。そのままFacebookに投稿。

「フォルラン氏と握手した手」はあっという間に多種多様な端末で閲覧され、注目を集め、評価されていく。掃除要員本人は一躍有名人になり、フォルラン氏もFacebook上からその様子を眺め、自分の注目度の高さを再確認し、思わずニヤリ。


↑ あっという間に広まる「フォルラン氏と握手した手」。本人もその様子をチェックしてニンマリ。
↑ あっという間に広まる「フォルラン氏と握手した手」。本人もその様子をチェックしてニンマリ。

↑ 彼自身は「握手した手」でモテモテ状態に。
↑ 彼自身は「握手した手」でモテモテ状態に。

そして相変わらず「もう一生この手は洗わない」状態な掃除要員が、自分の仕事場で選手らの誘導をしていると、フォルラン氏が気が付き、近づいてくる。フォルラン氏自身も自分の人気度を確かめられたのだから、機嫌は上々。そして何とフォルラン氏は掃除要員と抱擁を交わし、顔に軽くタッチし、「よう、頑張れヨ」と挨拶まで交わしてくれる。


↑ 抱擁、そして顔へのタッチまで。「え……」とフリーズする彼。
↑ 抱擁、そして顔へのタッチまで。「え……」とフリーズする彼。

「どうしよう……もう身体のどこも洗えなくなっちゃった。それどころか、身動き取れなくなったヨ」と彼自身が嬉しさと戸惑いで固まってしまうというオチで、コマーシャルは終わる。

今件は有名人とのちょっとした接触、出会いという誰にでも起きうる奇跡を題材にしている。その上で、モバイルインターネットが普及した現在なら、その奇跡がどこまで増幅され広まり、そして多くの人の運命を変えていくのかがシンプルに理解できる。携帯電話の可能性を「魅せる」という観点で、携帯事業会社Movistarのコマーシャルとしては、極めて優れたストーリーといえる。

同時に【Facebookの利用者数と増加率上位国(2011年7月分)】などでも触れている通り、特に新興国における「デジカメ機能付きの携帯電話」と「Facebook」の組合せがいかに浸透し、人々の生活と一体化しているかをうかがい知ることもできる。無論携帯電話会社のコマーシャルなので一部脚色はあるだろうが、興味深い映像という視点で見る事もできよう。



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