車保有の4割近くが震災後からガソリンの節約継続中、3割が燃費の良い車への買い替え希望
2011/08/02 12:10
ノルド社会環境研究所は2011年7月21日、東日本大地震発生後4か月ほどが経過した状況下における、生活者の意識・行動変化に関する調査結果を発表した。それによると調査母体のうち自動車を保有・利用している人においては、震災後にガソリンの節約を開始し、調査時点でも継続している人は4割近くに達していた。一方で4割は震災後も節約をしていないと答えている。また今後のガソリン節約対策については「燃費の良い自動車への買い替えを行いたい」と考えている人が3割を超えていた(【発表リリース、PDF】)。
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今調査は2011年7月1日から5日にかけて全国の20-60代の男女に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1000人。男女比・年齢階層比(10歳区切り)で均等割り当て。
今調査別項目の結果(【震災後に減った支出項目、トップは外食費…ではなくて】)からもわかるように、東日本大地震・震災後に家計内で出費が減ったトップ項目は「電気代」となっている。電力需給問題もあわせ、多くの人が節電を実行しているのが分かる。
↑ 東日本大地震前より支出が減ったもの(=減らしたもの)(複数回答)(再録)
一方、「自動車のガソリン代」は第四位となっている。昨今では原油高で単価そのものが上昇を見せているものの、インフラ・燃料の立ち位置では電気などと比べて供給不足感は無い。しかし震災直後における供給網の断絶・混乱で、しばらくの間は慢性的なガソリン不足が継続し、四苦八苦した記憶を持つ自動車保有者も多いはずだ。
今調査母体のうち自動車を保有する765人(調査母体全体の76.5%)に対し、震災後のガソリンの節約状況を尋ねたのが次のグラフ。比較対象として電気・ガスも併記してあるが、調査時点でもガソリンの節約をしている人は39.0%に達している。
↑ 震災後の家庭でのガソリンの節約状況(自動車保有者対象)
人によって必要度は違ってくるものの、一般的に日常生活を営む上での重要度は、この3項目では 電気>ガソリン>=ガス と考えれば納得は行く。ただし今現在も節約を続けている人は、ガソリンとガスでほぼ同率(利用者に占める割合)なのは興味深い。双方とも供給はほぼ戻っているはずではあるが、4割近い人が「エネルギー全体に対する強い節約心を持つようになった」と見るべきなのだろうか。
具体的なガソリンの節約術だが、現行で行われている手法のトップは「エコドライブ」で6割近く、次いで自動車で出かける頻度そのものを減らす人が4割と続いている。
↑ 実行ガソリン節約対策/今後行いたいガソリン節約対策(複数回答)(自動車保有者対象)
その他「荷物を積んだままにしない」(無駄な重量がかさむとそれだけ走行時に負荷がかかる=燃料を余計に食う)など、利用者の心がけひとつで気軽に実行できる手法が上位についている。一方で「公共交通機関を活用」「家族友人と相乗り」など、費用は気にしなくてもよいが、手間がかかるものは敬遠される傾向にある。
また、「今後実行したい」項目にはトップに「良い燃費の自動車への買い替え」がついている。これは先の電気周りの話【震災後の節電継続7割、メインは「お金を使わない節電」】と同じで、
・今後行いたい省エネ……費用がかかるもの、初期投資はかかるがその後は意識せずに省エネができるもの
という、生活者の省エネ志向をうかがうことができる。
全般的な省エネ性向の中で消費者の消費動向も保守的になりがちだが、その省エネ活動の中においてですら、強い需要は存在する。その需要に適切に応えるサービスの提供こそが、関連企業に求められよう。
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