女性の商品購入、重要なのは「値段」と「コストパフォーマンス」・食品は「いつもの場所で」も

2011/07/22 06:45

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価格と相談ニールセン・カンパニーは2011年7月13日、「未来の女性」という題名で女性の消費者行動に関する調査結果を発表した。それによると調査母体においては、食料品や家電、電化製品などを購入する際は、「値段」や「値段相応の価値(コストパフォーマンス)」が大きく影響を与えていることが分かった。また食料品の場合は「いつも買い物する場所で入手可能か否か」、個人用電化製品では商品自身の利便性・信用できるブランドであるか否かが重要視される傾向がある(【発表リリース、PDF】)。



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今調査は2011年2月から4月にかけてアジア太平洋・ヨーロッパ・ラテンアメリカ・アフリカ・北アメリカなどの21か国で、18歳以上の女性約6500人を対象に行われたもの。調査方式は先進国ではオンライン、新興国ではオンライン以外に会場調査、訪問調査も混在している。日本はオンライン調査・299人を対象に、同年2月25日から3月2日にかけて実施されている(今件結果は日本からの集計のみを元にしたものである)。

商品の購入頻度は人それぞれ、あるいは商品によって異なる。日常生活で日々消費するものもあれば、ごくまれな機会にか購入しないものもある。それらについて、購入を決める際に影響を与えるものはどのような情報・サービス・広告なのか。今調査では影響を与え得る情報・媒体・要素を20項目用意し、15商品・サービスそれぞれについて尋ねている。今回はそのうち、当サイトでもよく取り上げる「食料品」「個人用電化製品」「家電」「保険」、特に前者二つにスポットライトを当てることにする。

まずは「食料品」と「個人用電化製品」。それぞれの購入決定の際に影響を与えるか否かを尋ね、その回答率を集計したのが次のグラフ。

↑ 商品購入を決める際に影響を与える事項(複数回答)(食料品)
↑ 商品購入を決める際に影響を与える事項(複数回答)(食料品)

↑ 商品購入を決める際に影響を与える事項(複数回答)(個人用電化製品)
↑ 商品購入を決める際に影響を与える事項(複数回答)(個人用電化製品)

双方ともトップは「値段」。まずは妥協できる、納得のいく値段であることが最優先事項となる。ついで「食料品」では「いつも買い物する場所で入手可能」が上位にくる。購入頻度が高いため、入手困難な場所でしか手に入らない場合、優先順位は低くなる(例えば好みのブランド珈琲があるが、三つ先の駅前店でしか手に入らないのなら、少々味は落ちるが歩いて三分の店で類似商品を調達する、という具合だ)。コストパフォーマンスがその次で、商品自身への愛着心・利用経験が次いでいる。

一方個人用電化製品となると、頻繁に購入する機会は少ないため、近所で買えるか否かはさほど問題視されない。むしろコストパフォーマンスや内容そのものの良しあしが優先される。そしてある意味当然の結果として、信頼できるブランドか否かが影響すると答えられている。同じような価格・仕様なら、得体のしれないブランドよりも、ナチュラルブランドの商品を手にするのは物の道理。信用のおけるブランドは、それ自身が高い付加価値となる。

次に、上記「食料品」「個人用電化製品」に加え、「家電」「保険」を加えた4項目について大きくグラフ化し、各項目の特徴を抽出してパネル化したのが次の図。他の項目については各自元資料で確認してほしい。

↑ 商品購入を決める際に影響を与える事項(複数回答)
↑ 商品購入を決める際に影響を与える事項(複数回答)

「個人用電化製品」だけでなく「家電」でも、ブランド力が強いのが確認できる。また、アマゾンジャパンや楽天市場の機能で多用している人も多いであろう「製品やサービスのレポートや評価」なども、大きな影響を与えているのが分かる。

「保険」は価格がそれなりに影響を与えているものの、それ以上にコストパフォーマンスに大きな数字が確認できる。「安かろう悪かろう」では保険はダメ、という判断が強いようだ。さらにブランドへの信用度もかなり高い。このあたりは自分自身が保険を選択する際に、テレビCMで良く耳にする会社を頭にイメージすることが多いことからも、容易に理解できるはず。



今回は当サイト別記事との関連性で「食料品」「個人用電化製品」「家電」「保険」に項目を絞ったが、他の項目でも色々と興味深い動きが確認できる。例えば「家庭での保育」「家庭外での保育」は口コミに相当する「家族や友達の勧め」がもっとも大きな影響を与える一方、「専門家の勧め」は「処方薬・市販薬」「保険」における14%が最高で、女性の商品購入には大きな影響は与えていないこと、などが見て取れる。

家庭における商品購入、特に日用雑貨は女性が「かじ取り」をする場合が多い。その観点からも、今回のような影響起因をチェックするのは、非常に重要なことといえよう。


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