女性が思う「稼ぎが増えたら何に使う?」トップは貯蓄、次いで子供の教育費
2011/07/19 12:10
ニールセン・カンパニーは2011年7月13日、「未来の女性」という題名で女性の消費者行動に関する調査結果を発表した。それによると調査母体のうち、今後5年間で余剰資金を得られる見込みがある人においては、その余剰分を貯蓄に回す人が45%ともっとも多いことが分かった。次いで「子供の教育」「食料品」「退職後の備え」と続いている。「貯蓄」の回答者は若年層に多く、34歳以下では7割に達しているなど、項目によっては世代別に大きな差異があることも確認できる(【発表リリース、PDF】)。
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今調査は2011年2月から4月にかけてアジア太平洋・ヨーロッパ・ラテンアメリカ・アフリカ・北アメリカなどの21か国で、18歳以上の女性約6500人を対象に行われたもの。調査方式は先進国ではオンライン、新興国ではオンライン以外に会場調査、訪問調査も混在している。日本はオンライン調査・299人を対象に、同年2月25日から3月2日にかけて実施されている(今件結果は日本からの集計のみを元にしたものである)。
調査母体(女性)において、最近自分自身の稼ぎによって世帯収入への貢献度が「増した」、または「増す見込みがある」と回答した人に、その増加見込みの余剰資金をどのような項目に充てるつもりか、10個までの複数回答で尋ねた結果が次のグラフ。貯蓄がもっとも多く45%に達している。
↑ 今後5年間で稼ぐ、稼ぐ予定の余剰資金をどれに充てるか(用意された22の選択肢から10個まで)(世帯収入への貢献度が増した、または増す見込みがあると回答した人限定)
次いで多いのは「子供の教育」。昨今の可処分所得が減退する世情においても、子供の教育費はなかなか減らされないこと、逆にいえば重要視されていることは【教育費 生活苦でも 減らしません 苦しい時こそ 子への期待を】などで触れているが、それがこの回答でも現れている。
次いで身近に生活の潤いをかさ上げする「食料品」に続き、「退職後の備え」「緊急時の備え」と、「備え」への補てん・充実が続いている。今後金銭的に余裕が出来たら「備え」を増やしたいと考えていることは、同時に今現在においては「備え」が不足していると強く認識しているのを意味する。金銭面での不安感も、この「備え」の不足感から来ていると想定できよう。
これらの項目のうち、特に当サイトでよくスポットライトの充てられるものにつき、世代別の動向を再構築したのが次のグラフ。
↑ 今後5年間で稼ぐ、稼ぐ予定の余剰資金をどれに充てるか(用意された22の選択肢から10個まで)(世帯収入への貢献度が増した、または増す見込みがあると回答した人限定)(特定項目のみ、年齢階層別)
「貯蓄」は特に若年層が強い意志を持っているのが分かる。「子供の教育」はちょうど子供が年頃になりそうな(回答者の)年齢「35-44歳」が一番。65歳以上になると「自活できるだろうか」とばかりにゼロになる。
「蓄え」周りの動向は特に興味深い。「退職後の蓄え」は退職時期が近付くにつれて回答率が増加し、直前では45%にまで跳ね上がる。しかし退職後は13%にまで激減する。一方で「緊急時の蓄え」は65歳以上が異様な高さを見せており、退職後の高齢者が金銭面での「まさかの時の備え」に強い危機感・不安感を抱いていることがすけて見えてくる。
今件はあくまでも女性を対象としたものだが、「世帯収入への貢献度が」云々という設問である以上、世帯単位の収支を対象とし、自分自身が稼ぐお金について述べている。女性が社会進出を果たして収益を得るようになった場合、どのような面に出費されるのかを考える上でも、大いに参考となることだろう。
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