年15万ドル以上は3/4近く…アメリカのスマートフォン・一般携帯電話保有率を年収と詳細年齢区分で
2011/07/21 06:32
アメリカの調査機関【Pew Reserch Center】は2011年7月11日、所有携帯情報端末や、その端末を利用したオンライン上でのサイト閲覧など傾向に関する調査報告を発表した。それによると調査母体においては、全体比で35%の人がiPhoneやAndroidなどのスマートフォンを保有していることが分かった(【アメリカの35%はスマートフォン持ち、8%は「ネットアクセスのメイン機種」】)。今回は年収と年齢にスポットライトを当て、各層における「スマートフォン保有」「スマートフォンは持っていないが他の携帯電話を保有」「携帯情報端末そのものを持っていない」の3区分構成比を見ていくことにする(【発表リリース】)。
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調査要項は先行する記事【アメリカの35%はスマートフォン持ち、8%は「ネットアクセスのメイン機種」】で解説している。
今調査母体にiPhoneやAndroid、Blackberryなどのスマートフォンを保有しているか否かを聞いたところ、回答者全体比(携帯情報端末保有者比やインターネット利用者比では無い)で35%もの人が同意を示した。1/3以上がスマートフォン持ちという計算になる。
↑ スマートフォン保有・使用状況(全体比)(再録)
それでは年収と年齢を少し詳しく区分したら、スマートフォンの保有率はどのような変移を見せるのか、というのが今回注目した項目。せっかくだから、なのか元資料では単に「スマートフォンを保有している(一般の携帯電話の保有有無は問わず)」以外に「スマートフォンは無いが、それ以外の携帯情報端末(いわゆる普通の携帯電話)は持っている」「携帯電話などの携帯情報端末そのものを持っていない」の区分で個々階層を三等分し、その構成比を掲載している。
まずは年齢階層比。単純に「若年層ほどスマートフォン保有率が高い」のでは無く、25-34歳で保有率が一番高い動きを見せているのが興味深い。
↑ 年齢階層別携帯情報端末保有状況(スマートフォン保有、非スマートフォン保有&一般携帯電話、携帯情報端末非保有)
これは可処分所得の多い・少ないが影響しているのだろう。18-24歳といえば大学生が主要な構成者となるが、アルバイトを別にすれば特に収入源も無い学生に、スマートフォンの購入はそれなりにハードルが高い。
スマートフォンの保有率は25-34歳がピークで、後は一様に減少していく。一方でスマートフォン以外の携帯情報端末「のみ」保有者は60代前半でも6割近くに達している。また、40代後半-60代前半でも2割強はスマートフォンを保有しているという値は、驚きに十分値するものといえる。
もう一つ、詳細年収区分による保有率推移。こちらは一部ぶれがあるものの、比較的きれいな流れを見せている。
↑ 年収階層別携帯情報端末保有状況(スマートフォン保有、非スマートフォン保有&一般携帯電話、携帯情報端末非保有)
年収15万ドル以上でも2%の人が「スマートフォンも一般携帯電話も持っていない」とする人がいるのは驚きだが、大体年収4万ドルを超えると携帯情報端末の保有率は9割前後に達し、あとは高年収ほどスマートフォン保有率が増える形となる。それ以下の年収の場合、一般携帯電話の保有率に変わりはほとんど無く、スマートフォンの保有率が減り、その分「何も持っていない」人が増える動きを見せている。
元記事では特異な動きとして、低年収層の年齢区分別保有率動向について触れている。グラフ生成は略するが、年収3万ドル以下の低年収層でも若年層ではスマートフォンや携帯電話保有率は比較的高め(それぞれ39%・53%)を示している。しかし中堅層以降、特にシニアにおいては、保有率は異様なまでに低く、いわゆるジェネレーションギャップが激しい結果が出ている。
【アメリカの35%はスマートフォン持ち、8%は「ネットアクセスのメイン機種」】でも少し触れている、「携帯情報端末、特にスマートフォンは、環境が整わない・収入面でハードルが高い対象者向けの、高速インターネットの窓口」という考えは、特に若年層に当てはまる話なのかもしれない。
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