日本の急激な上昇度合いを他国と比較…諸外国の高齢者人口比率の推移(最新)
2021/12/21 02:56
先行記事【世界各国の子供・成人・高齢者比率】などで、総務省統計局が2021年11月30日に一部項目について発表した、5年に一度実施する国勢調査の最新版となる国勢調査の結果を基に、日本をはじめ各国の総人口に占める高齢者の比率について確認を行った。今回はその精査の際に用いたデータなどから、「諸外国の高齢者人口比率の推移」を見ていくことにする(【2020年国勢調査】)。
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国勢調査の速報値に関する解説報告書の記載内容を下地とし、先行記事で用いた国連の公開データベース「World Population Prospects, The 2019 Revision」からの取得値を基に、主要国に関して年齢階層を「0歳から14歳(子供)」「15歳から64歳(成人)」「65歳以上(高齢者)」に区分し、それぞれの人数を計算。そのうち最後の区分にあたる「65歳以上(お年寄り)」が各国・年の人口に占める比率を計算し、その推移をグラフにしたのが次の図。日本と諸外国の違いを見るのが第一義的の目的なので、日本と世界全体の平均値のみ実線で表記した。
↑ 65歳以上人口の割合推移
↑ 65歳以上の人口割合(1950年/2020年)
日本は1950年以前は5%前後で推移していたが、その後は二次曲線的に上昇を見せる。1985年には10%を突破、そして2005年には20%を超え、さらにカーブが急勾配を示すようにすら見える。また諸外国の動向と比べると、2005年の時点でイタリアやドイツを超える形となり、先進諸国の中でトップの高齢化を突き進んでいる状況があらためて把握できる。先行記事などにある通り、直近の2020年では世界最高の値を示している。
注意しなければならないのは、「65歳以上(お年寄り)」の比率増加が、単純にこの層の人口増加「だけ」を起因としているわけではないこと。人口全体に占める比率であるから、それより下の年齢人口が同じように増えれば比率は変わらず、逆に下の人口が減れば(つまり死亡率の増加、お年寄りになる人数より出生数が少ないなど)比率は増加する。高齢化には複数の要因が関与することも知っておかねばならない。例えばロシアでは前世紀末から値が横ばいとなり、今世紀に入ってからは一時的に減少する動きすら見せたが、これは前世紀末の同国の政治・経済的な混乱に伴い、出生率が著しく低下するとともに、抵抗力の弱い人が生き延びられなかったことが大きな要因となっている。
今件はあくまでも「65歳以上(お年寄り)」の比率だが、以前何度かに分けて紹介した合計特殊出生率の推移(【日本は1.36、米国は1.71、韓国は0.92…各国の合計特殊出生率推移(最新)】)や【出生総数比で2.38%…いわゆる「未婚の母」による出生率(最新)】あたりと合わせ読むと、各国の人口事情をかいま見ることができることだろう。
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