日本の高齢者比率は28.4%、では他国は…世界各国の子供・成人・高齢者比率(最新)
2021/12/20 02:38
総務省統計局では2021年11月30日に、5年に一度実施する国勢調査の最新版となる2020年国勢調査における一部項目の結果を発表したが、その公開値を基に、いくつかの状況精査を行っている。今回はその公開値を基に、子供・成人・高齢者と三区分した人口割合を諸外国それぞれで計算し、その違いを確認していく(【2020年国勢調査】)。
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先行記事【全国勢調査「105年分」の子供・成人・老人比率推移(最新)】では年齢階層を「0歳から14歳(子供)」「15歳から64歳(成人)」「65歳以上(高齢者)」に区分し、各階層ごとの人口比率・人数などを示した。子供は教育と生活上の保護育成が欠かせず、成人は現役世代として生産に従事し社会全体を支え、高齢者はおおよそ現役からは引退し消費のみの老後生活を営むことになる。それぞれの年齢階層の人口比率は、今後の国の活性化・成長度見通しや社会保障の問題、中長期的な国家の安定と成長を考察する上では欠かせない指標となる。
今回精査するのは、その人口比率の世界的な状況。2020年分の国勢調査における報告書では参考値として一部が記載されているが、今回はその公開値の抽出元である国連の公開データベース「World Population Prospects, The 2019 Revision」を基に、より詳細な値を取り出してグラフに書き起こした。なお国の並びは高齢者比率の高い順としてある。
↑ 諸外国の年齢・3区分別人口割合(2020年)
3区分の比率それぞれに関する留意点を箇条書きにすると次の通り。
・日本の28.4%は調査開始(1920年)以来最高値。また国連のデータベースに収録されているすべての国の中でも2020年における最高値。
・ヨーロッパ先進諸国は概して高め。北アメリカは他の先進諸国と新興国の中間位。
・新興国は概して低い。高齢人口に達するまでに亡くなる人が多いのが要因。
●15歳未満人口
・日本の12.4%は調査開始以来最低値。
・日本の値はドイツの14.0%や韓国の12.5%より小さく、主要国では極めて低水準。
●15-64歳人口
・日本の59.2%は主要先進国の中ではイスラエルの59.8%以上に低い水準。また65歳以上の人口比率が高い国の中でも一段と低い値。
・新興国には日本以上に低い値の国が多数確認できるが、それらの国では0-14歳区分も多く、今後成長して成人となり、国を支える人は増加する。
主に生産創造活動を行うのは「15-64歳」層。今後成長した「0-14歳」層が加わる。日本では【「本当の」少子化対策が急務であることがひとめで分かる図】などでも説明している通り、人口ピラミッドがつぼ型を形成しており、今後は「15-64歳に移動」する子供が少ないため、ますます老人比率が高まることは容易に想像できる。実際、【2100年には7496万人に…国連予想による日本の2100年までの人口推移(最新)】にある通り、高齢者比率は2055年までは増加するとの試算が国連からも出ている。
↑ 日本の人口ピラミッド(男女別)(2020年)
少子化問題への対策は一年単位で結果が出るものでは無く、10年単位で先を見通す必要があるもの。だからこそ諸外国で先行し、成功している事例を積極的に、そして歪曲することなく情報取得を行い、参考にした上で国内政策として取り入れることが求められる。以前「出生動向基本調査」などからまとめた記事、さらには【直近では出生率0.70%・死亡率1.12%…出生率・死亡率推移(1899年以降版)(最新)】なども参考になるはずだ。
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