「勝利に貢献した名誉の負傷」をサポートしているのが良く分かる広告
2011/07/11 06:49


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↑ サッカーゴールを後ろから見た場面と、デジタル表示のスコア

しかし良く見ると、勝った側の得点「6」の部分に、正方形のバンドエイドが複数使われ、数字を形成しているのが分かる。そして下にはキャッチコピー「Winning hurts. Band Aid.(勝利のための名誉の負傷。そしてバンドエイドで傷の手当て)」とある。
勝ったチームの得点の一部がバンドエイドで描かれ、「勝利のための負傷」という説明。ここから、「勝利を手にしたチームはすり傷を負うほど、懸命に試合(と練習)に望んだのか」「そしてそれをサポートしたのがバンドエイドなのだな」「バンドエイドもまた、選手同様に勝利に貢献したのか」というイメージが沸いてくる。
単に「貢献した云々」だけなら、点数のドット表記のどの部分にバンドエイドを使っても構わないはず。この広告が優れているのは、貼られたバンドエイドが、まさに「勝利を得たチームの得点に貢献したのを明確に表す場所」にあること。例えば上の広告なら、3枚のバンドエイドが貼られた部分が無かったらどうなるだろうか。「5-5」の引き分けとなり、勝利はつかめなかったことになる。つまりバンドエイドは単なる選手の傷などへのサポートではなく、チームが勝利をつかむための重要な役割を果たした……という受け止め方もできる。
今広告はサッカー以外にもバスケ、テニスの場面も用意されているが、それらではより一層「バンドエイドが勝敗を分かつ」ことが良く分かるスコアとなっている。


↑ 上からバスケ、テニス
バスケの場合は「9-4」だがバンドエイドが無ければ「3-4」、テニスは「2-3」だが無ければ「2-1」と、それぞれ勝敗が覆されてしまう。バンドエイドを貼らねばならないような必死のプレーで挑んで得点をつかみ、あるいはバンドエイドで傷の心配をしなくてもよかったからこそ勝負に打ち勝つことができた。そのようなメッセージがじわりと伝わってくる。
スコアを表す数字をドットで表現し、そのドットをバンドエイドで代替するあたり、いかにも「デジタル思考」的な発想といえる。ぱっと見では分かりにくいが、気がつくと「なるほどな」と思える、じわじわくる広告といえよう。
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