Facebookの利用者数と増加率上位国(2011年7月分)
2011/07/08 06:37
以前【Facebookの利用者数と増加率上位国(2010年12月末分)】でソーシャルメディアの雄、Facebookの利用者数推移について、Facebookの公式データを逐次取得・分析しているNick Burcher氏による【公開情報】を元に、各種グラフを生成した。先日同所において2011年7月1日時点の最新情報が【Facebook usage figures by country - July 2008 to July 2011】として公開された。今回はこれをもとに、Facebookの「利用者数トップ15」の国と、それらの国の利用者数増加率などをグラフ化してみることにした。
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まずは直近、2011年7月における国別利用者数トップテン。アメリカ合衆国が桁違いに多いのはこれまで通りの話。
↑ 2011年7月におけるFacebookの利用者(万人)
ただし前回のグラフと比べれば分かるように、いくつかの国において順位変動が起きているのが分かる。インドネシアが大きな伸びを見せているのは相変わらずだが(【Facebookの地域別利用会員数など】でも触れているように、同国ではインターネット利用者の大部分がFacebook利用者でもあり、その多くが携帯電話経由でアクセスしていることが大きな特徴。パソコン経由のインターネットの浸透などと比べ、インフラの普及の点でスピードが速い)、インドの順位の繰り上がりや、ブラジルの躍進ぶりなど、インドネシア同様に新興国の増加ぶりが確認できる。
次が本題のグラフ。上記「現時点での利用者上位15か国」において、1年前からの増加率を示したものだが、直上で言及したインド、ブラジル、そしてフィリピンなどの著しい増加が確認できる。
↑ 2011年7月におけるFacebookの利用者が、1年前と比べどれだけ増加しているかの割合(現時点で利用者数トップ15の国)
例えばブラジルの場合、数百・数十万人の単位なら増加率がこれだけのものでも「ぶれ」の範ちゅうにおさまるが、2011年7月1日時点で2123万9380人という一千万単位の数字を見る限り、純粋に爆発的な成長を続けているのが分かる。【外務省データによれば】ブラジルの人口は1億9400万人。まだまだ多分に「伸びしろ」を持っているのは容易に理解できる。これは同国で2016年の夏季オリンピック開催が決定しているため、それに向けての特需も大いに関係していると考えて良い。
このブラジルやインドの急激な伸び率は、前回記事のデータを流用して算出した、次のグラフで示している「直近3か月での利用者変移」でも明らか。
↑ Facebook利用者数トップ15における、直近3か月の利用者数変移(2011年7月1日時点)
アメリカやカナダでは誤差の範囲だが減退を見せており、北米圏ではほぼ飽和状態に達したことを示唆している。一方でブラジルの36.4%をはじめ、インド、メキシコ、アルゼンチンなどの新興国では急速な上昇が確認でき、これらの国でのさらなる利用者増大が期待できる。
最後に2011年7月時点でFacebook利用者数上位30位の国のうち、直近1年間における利用者数増加率が100%超の国。要はこの1年間で利用者数の上昇率が非常に高く、しかも元々の利用者数がそれなりに居た国をグラフ化したもの。
↑ 2011年7月時点でFacebook利用者数上位30位の国のうち、直近1年間における利用者数増加率が100%超の国
今回のデータで特異な動きを見せたのは、やはりブラジル。そしてインドやメキシコなどの姿が見える。また、いわゆる「ジャスミン革命」に代表される中東でのドタバタ騒ぎで顔を出したエジプトの姿も見える。同時にロシアの姿も確認でき、興味深いものがある。
前回記事で解説したように、急激な成長を見せる国の多くは、アジア・南米の新興国に集中している。【SNSは携帯と共に急成長する】でも言及しているが、携帯電話(&スマートフォン)は新興国で特に高い普及率・普及数の拡大を見せ(とりわけインドやインドネシアが顕著な例)、それと共にソーシャルメディアの勢力拡大は勢いを増していく。今回のデータもまた、その推論を裏付けた形といえよう。
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