【更新】新聞や雑誌購読が減り、ネットアクセスが増える…サラリーマンのメディア接触時間の変化
2011/07/10 07:54
先に【ついに4万円台を大きく割り込む・「減った」11.5%「増えた」は6.4%-2011年のサラリーマンのこづかい事情】などで、新生銀行グループの新生フィナンシャル(旧GE Money)が2011年6月27日に発表した、2011年におけるサラリーマンのおこづかい調査の結果を、内容を多方面の切り口から確認、記事化した。今年の調査では経年発表で対象とされた項目のいくつかが消え、代わりに新規の調査項目などが加わっている。そこで今回も【若年層パート・アルバイトのこづかい事情(2011年版)】同様に、以前の追跡記事では対象にしなかった項目について、掘り下げることにする。具体的にはお金から少々離れる話題となるが、「この一年間でメディア方面においてかける時間(視聴する時間)が減ったもの、増えたもの」についてである(【発表リリース】)。
スポンサードリンク
今調査は2011年4月23日から24日までの間にインターネット経由で行われたもので、有効回答数は2064人。男女比は1548対516で、年齢階層比は「男性サラリーマン」は20代から50代まで10年区切りで、「女性会社員」「男性パート・アルバイト」「女性パート・アルバイト」は20代・30代でそれぞれ均等割り当て。なお「男性サラリーマン」以外は今回がはじめての調査となる(ただし明記ない限り、データ・グラフはこれまで通り「男性サラリーマン」からのものについてのみ対象としている)。また今調査は1979年からほぼ定点観測的に行われているが、毎年同じ人物を調査しているわけではない。
今調査ではお金周りと直接関係のない項目として、この一年間にかける時間が増えたもの・減ったものについて聞いている。生活全般に関しては以前【サラリーマンが今後増やしたい時間、「趣味」に「睡眠」、「家族との時間」】で伝えた通り。今後はプライベート、しかも自分の手の届く範囲のごく身近な部分を大切にしていきたい心境が見えてくる。
↑ この一年でかける時間が増えたもの/減った物は?(増えた-減った)(サラリーマン対象)(再録)
↑ 今後かける時間を増やしたいものは(サラリーマン対象)(再録)
それではこれら「接触時間・視聴時間が増えた・減った」をメディアに限定すると、どのような動きを見せるのか。それを集計したのが次のグラフ。単純に「増えた」「減った」の回答別を併記したのと(左から「増えた」が多い順)、「増えた」から「減った」を差し引いて、純粋に全体で増加・減少を推し量れる値を算出したグラフの双方を作成した。
↑ この一年でかける時間が増えたもの/減った物は?(メディア限定)(サラリーマン対象)
↑ この一年でかける時間が増えたもの/減った物は?(増えた-減った)(メディア限定)(サラリーマン対象)
インターネット調査による結果だから、というのも一因だが(もっとも現在の年齢階層別インターネット普及率を考慮すれば、大きな誤差は想定しにくい)、パソコン経由でインターネットへのアクセスが増えた人はもっとも多い。「テレビ視聴」は一見多そうに見えるが、減っている人の数も多く(「減った」人の割合だけで見ればトップ)、全体的にはマイナス傾向にある。
「新聞購読」「レンタルや市販のDVDなどの視聴」「雑誌購読」は差し引きで1割-2割の人が減ったと回答しており、これらのメディアの視聴時間・注力の減退、つまりは「紙媒体離れ」「テレビ離れ」が進んでいると見ることもできる。特に直接の「テレビ視聴」より「レンタルや市販のDVDなど視聴」の減り方の著しさは【販売ビデオを支えるコア層・ビデオソフトの販売実態】などの話を思い起こさせる。
調査レポートでは具体的な表は掲載されていないものの、男女別・若年層での職業上の立ち位置別の傾向も示されている。例えば「パートやアルバイトの人は、パソコンの定額制インターネットサービスを駆使できる項目への時間増加が著しい(安価で時間を潰せる)」「女性パート・アルバイト層は雑誌を読む時間の減少が著しい(42.2%)」「女性陣は携帯電話でソーシャルメディアへのアクセスがやや増えている」などの話がある。
いずれも極めて興味深い話ではあるが、具体的数字が公開されておらず、精査は不可能。少々残念な話ではある。
スポンサードリンク