【更新】若年層パート・アルバイトのこづかい事情(2011年版)

2011/07/05 06:41

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こづかい先に【ついに4万円台を大きく割り込む・「減った」11.5%「増えた」は6.4%-2011年のサラリーマンのこづかい事情】などで、新生銀行グループの新生フィナンシャル(旧GE Money)が2011年6月27日に発表した、2011年におけるサラリーマンのおこづかい調査の結果を、内容を多方面の切り口から確認した。今年の調査では経年発表で対象とされた項目のいくつかが消え、代わりに新規の調査項目などが加わっている。そこで何回かに分けて、それら新規項目のうち興味をそそられるものを取り上げてみることにしよう。今回は「20-30代のパート・アルバイトにおけるこづかい事情」についてである(【発表リリース(PDF)】)。



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今調査は2011年4月23日から24日までの間にインターネット経由で行われたもので、有効回答数は2064人。男女比は1548対516で、年齢階層比は「男性サラリーマン」は20代から50代まで10年区切りで、「女性会社員」「男性パート・アルバイト」「女性パート・アルバイト」は20代・30代でそれぞれ均等割り当て。なお「男性サラリーマン」以外は今回がはじめての調査となる(ただし明記ない限り、データ・グラフはこれまで通り「男性サラリーマン」からのものについてのみ対象としている)。また今調査は1979年からほぼ定点観測的に行われているが、毎年同じ人物を調査しているわけではない。

さて男性サラリーマンの平均月額こづかい額は3万6500円で、この数年は減少傾向を継続しているのはすでにお伝えした通り。

2008年以降における年齢階層別サラリーマンのお小遣い
↑ 2008年以降における年齢階層別サラリーマンのお小遣い(再録)

「女性は?」「正規雇用でないパートやアルバイトのおこづかい事情はどうなのか」と気にする人もいるだろう。それに応えるのが今回の項目。まずはズバリ小遣い額だが、若年層の会社員(正規雇用)は男性より女性の方が小遣いが高めという結果が出ている。

↑ 20-30代の会社員とパート・アルバイトの小遣い事情(月額、円)
↑ 20-30代の会社員とパート・アルバイトの小遣い事情(月額、円)

わずか800円足らずだが、女性が上には違いない。しかしパート・アルバイトとなるとこの立場は逆転し、男性が女性をはるかに上回る結果となっている。とはいえ、額そのものは会社員と比べ5-6割程度でしかない。手取りそのものが少なく、非消費支出(税金や社会保険料)の負担も大きいだけに、小遣いを低く抑えねばならないのも仕方があるまい。

今件項目は今年からのもので、経年変移を推し量ることは出来ないものの、「昨年と比べてこづかいがアップしたか否か」の回答は用意されている。これで少なくとも2010-2010年の状況変移は把握できる。

↑ 20-30代の会社員とパート・アルバイトの小遣い事情(去年と比べて)
↑ 20-30代の会社員とパート・アルバイトの小遣い事情(去年と比べて)

正規社員でも小遣い事情が厳しいことは先の記事にある通りだが、パートやアルバイトはそれ以上に辛い環境下なことが分かる。アップしたのはわずか4-5%。ダウンは1割強-2割強。ダウン率は正社員の2倍以上に達している。

元資料ではこの状況について「少しずつ回復基調にある景気の中でまだまだ厳しい状況にあることがうかがえます」と解説している。まさにその通りで否定できない状況といえよう。



「こづかい」は「可処分所得」(自由に使えるお金)の中でもっとも本人の自由意思が効くお金であり、趣味趣向にあてがわれることが多い。それが減るということは、自分の娯楽に対する自由度が減ることを意味する。創意工夫を推し量れれば話は別だが、決してそれは容易ではない。

ストレス解消の主要な手段の一つ「自分の趣味への没頭」の選択領域が狭まることで、ストレス蓄積の度合いが高まるのではないか(一例として、喫煙者がたばこ代を半分に減らされた場面を想像すれば良い)。連鎖的な流れだが、そのような不安すら頭をよぎるのは当方だけではあるまい。



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