「非常時にお使い下さい」が良く分かる貯金箱
2011/06/28 12:00


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↑ Emergency Break Glass Money Box
支払い用の口座をのぞけば、貯金箱にせよ預貯金口座への貯金にせよ、貯金をする目的は大きく二つに分けられる。一つは「将来何かあるかもしれないから」という漠然とした不安・懸念への保険的備え、もう一つは「これが欲しいから」という目標が設定された積極的な積み立て。今回紹介する「Emergency Break Glass Money Box」は、そのうち前者向けの貯金箱。
ひと目で見れば分かるように、この貯金箱は消火栓・火災報知機用の非常用ボタンと類似している。火災報知機など(あとは軍事用のミサイル発射ボタンなどか)は普段このような形でボタン部分に透明なガラスでカバーがしてあり、容易に押せない仕組みとなっている。そして「いざ」という時は言葉通り「たたき壊し」、中のボタンを押して非常事態を通報することになる。
普段「まさか」「もしや」のために貯めているお金を使うのは、まさに非常事態に他ならない。もちろんその「非常事態」の内容は人それぞれ。けがをして急に治療費が必要になった、ずっと前から欲しかったモデルの自転車が特価で販売されていた、友達の結婚式が月に3件も重なった、無駄遣いをし過ぎて給料日まであと一週間もあるのに銀行残高が3ケタになった、などなど。そのような「非常事態」に際し、この「カバー」を叩き壊し、通報ならぬ貯金回収をし、事態の打開を図ってもらおうというのが、この貯金箱の狙い。

↑ 底面部分が平らになっているので、上の写真のように壁にかけるだけでなく、普通の貯金箱のようにテーブルなどの上において使う事もできる
サイズは直径12センチ、重さは200グラムほど、ABSとアクリルで出来ており、背面部分にはフックで壁にかけるための穴が用意されている。そして前面のアクリル部分には「緊急時にはこのガラス部分を叩き壊して下さい(IN CASE OF EMERGENCY BREAK GLASS)」と、警報装置用ボタンカバーではお馴染みの言い回しがプリントされている。価格は7.50ポンド(970円)。

↑ 紹介用動画。解説は英語だが、状況がシンプルで良く分かる。
構造上使い捨て的な利用方法しか出来ないのが少々残念だが、普段貯めているお金を使わざるを得ない「非常事態」と、火災報知機などのボタンを押すような「非常事態」をかけた発想は面白い。元々フタが自由に開かないタイプの貯金箱は入れたお金を使いにくいものだが、この貯金箱の場合は「これを打ち壊すような非常事態だろうか……?」と自問自答させられ、容易に手をつけなくなる。非常に良く出来たアイテムといえよう。
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