【更新】震災後、乳幼児を抱える世帯の6-7割が「国産ミネラルウォーターを備蓄」
2011/06/26 12:00
アイシェアは2011年6月24日、乳幼児を抱える世帯におけるミネラルウォーターの需要に関する調査結果を発表した。それによると調査母体においては、東日本大地震とそれに伴う一連の震災以降、ミネラルウォーターを備蓄する人の割合が男性で約2割、女性で約3割ほど増加したことが分かった。また、子供に与える飲料水や食事調理用の水も、水道水からミネラルウォーターに替えたとする意見が少なからず確認できる結果となっている([発表リリース])。
スポンサードリンク
今調査は2011年6月13日に同社の無料メール転送サービス「CLUB BBQ」の会員のうち、東京都内に在住し、乳幼児を抱え、ミネラルウォーターを購入した経験がある人に対して行われたもので、有効回答数は576人。男女比は36.1対63.9、年齢階層比は20代11.8%・30代80.6%・40代7.6%。
元々水道水の安全性については色々と物議をかもしていたが、震災に伴う原発事故により農産物・水道水での放射性物質絡みへの懸念が加わり、「その方面での心配をしなくても済む」ミネラルウォーターへの需要が急増する事態となった。この状況については以前【納豆や水、乳製品はまだまだ?…本震後一か月で品不足の多くは解消へ】や【地震後に「インスタント」「水」「米やパン」をまとめ買い・「電池」は買いだめ出来ず】でもお伝えした通りで、現在においても需給関係は不安定な状況にあると評せざるを得ない。
特に需要が高まったのは、乳幼児を抱える世帯。今調査でも乳幼児のいる世帯のうち元々ミネラルウォーターを購入(備蓄者限定ではない)に限定し質問をしているが、震災後の慢性的な品不足を経験したこともあり、備蓄をする人の割合は大幅に増加している。
↑ 東日本大地震前後における自宅でのミネラルウォーター備蓄状況(乳幼児がいるミネラルウォーター購入経験者限定)(国内・海外産双方購入者は最も多いもの)
元々震災前は備蓄率は4割強。男女の差異もほとんど無かった。しかし震災後は備蓄率は大幅に増加し、特に女性の伸びが著しい。これは【東日本大地震後の不安要素は原発、そして被災地への支援状況】などで解説しているように、男性よりも女性の方が不安の実感度が高いことに起因する。また海外産の伸びがほとんど見られないのは、品質の安定度の他に、乳幼児(のミルクを創る時)には向いていない硬水の銘柄が少なからずあるのが原因と思われる。
さて、備蓄ではなく実際の飲用水としての使用の変化は生じただろうか。子供への飲用水・食事調理用水に関する設問の回答を、それぞれグラフ化したのが次の図。直接飲用する水の方がやや替えた比率が高いが、大体男性3割強・女性4割強が「水道水からミネラルウォーターへ替えた」と回答している。
↑ 東日本大地震以降、自分の子供(乳幼児)の飲用水を変えたか(ミルク作り用の水は除く)
↑ 東日本大地震以降、自分の子供(乳幼児)の食事調理用水を変えたか
備蓄の場合と同様に、男性よりも女性の方が敏感な反応をしている。特に飲用水においては(元々ミネラルウォーターを購入した経験を持つ調査母体ではあるが)半数近くが水道水からミネラルウォーターに替えている。地域によるリスクの違いもあるのだろうが、女性の不安の大きさを裏付ける数字の一つといえる。
冒頭でも触れたが最近になってようやく、ミネラルウォーターの需給状態は安定を見せるようになってきた。また【水道水の放射能測定結果について -第77報-】などにもあるように、各自治体では計測値を定期的に発表し、問題が発生しうる値が出た時には、しかるべき対応を行っている(実際東京都管轄でも3月の時点で「乳児による水道水の摂取を控えて頂くように」の通達が何度か出ている)。
かくして状況は改善の方向に向かいつつある。しかしそれでもなお暫くの間は、今回発表されたような傾向は続くに違いない。
スポンサードリンク