1年足らずで普及率2倍の世代も・米ツイッター利用状況(2011年5月版)
2011/06/06 06:30
【Pew Reserch Center】は2011年6月1日、アメリカのツイッター利用に関する調査結果を発表した。それによれば調査母体においては、インターネット利用者のうち13%がツイッターを利用していることが分かった。若年層では特に浸透が進んでおり、去年の前回調査と比べて2倍以上の利用率を見せる年齢階層も確認できる(【発表リリース】)。
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今調査は2011年4月26日から5月22日において、18歳以上の人に対して電話(固定電話と携帯電話)でRDD形式(Random Digit Dialing、乱数で創り出した番号に電話をかける方法)によって選択された対象に、英語とスペイン語で行われたもので、有効回答数は2277人。固定電話は1522人、携帯電話は755人(うち346人は携帯電話のみの保有)。さらに性別・年齢・教育経歴・人種・使用言語などの各種区分において、アメリカの国勢調査結果に基づいた調整が行われている。
今件は定期的に行われている調査の最新データということだが、それによると調査時点におけるアメリカでのツイッター利用率は、対インターネットユーザー比で13%。女性よりも男性、学歴が上の方が利用率が高いなどの傾向が確認できる。
↑ 2011年5月における米ツイッター利用率(対インターネットユーザー比)
今データは「インターネットを使っている人」に対する割合。例えば高齢者は元々インターネット利用率が低めなので、各区分の全人口比ではさらに利用率の差が開くことになる。同じPew Researchに関する過去記事では、【アメリカのインターネット普及率と使わない人の理由】で掲載したものが参考になるだろう。
↑ インターネットを利用するか(アメリカ、2010年5月)(再録)
今回のレポートでは前回の2010年11月調査との比較データも掲載されている。やや詳細に区分した年齢階層別の数字だが、特に若年層での普及浸透ぶりが目に留まる。
↑ 年齢階層別ツイッター利用率推移(個々の年齢階層におけるインターネット利用者に対する比率)
元々24歳以下は普及率が高いものの伸び率は低迷。一方で25歳-34歳層の伸びは著しく、2倍以上の普及が確認できる。この傾向について元記事では特に説明はない。
しかし別項目で「統計学的にサンプル数が不足しているため他の統計値と併記することはできなかった」と断りを入れているものの、「ツイッター利用者の95%が携帯電話を所有し、94%が携帯電話などを用いた非有線によるネット接続をしている(「だけ」ではない)」「ツイッター利用者で携帯電話を所有している人のうち54%が、携帯電話経由でツイッターを利用している」という言及が確認できる。携帯電話(今件ではスマートフォンなども含めるのだろう)の利用性向のかさ上げや、ツイッターを利用する上でのアプリケーションの充実が、利用率を押し上げているものと考えれば納得もいくというものだ。
日本では残念ながら今件のような、電話や郵送方式を用いた(=インターネットの利用の是非に左右されない)、まとまった数の調査母体による、継続的なツイッター関連の調査を見受けることができない。もちろんインターネット経由の調査でも(例えば【シニア層の伸び継続・年齢階層別インターネット利用率(2010年分反映版)】を使う事で、)ある程度全体としての推測は可能となるが、精度はやや乏しいものとなる。
「現状」ではデータの取得や保全、そして継続的な調査を軽視する傾向は否めない(【待機電力の実態】の文末参照)。しかし社会状況に即した継続的な調査とその結果の集積は、現時点だけでなく後世にも向けた大きな資産となり、憶測や思いこみに頼らない、より精度の高い推測を可能とする。継続的な調査は是非とも積極的に行ってほしいものである。
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