【更新】スマートフォンの3キャリア・回線満足度は自宅内「は」ほぼ同じ、だが……
2011/05/21 12:00
MM総研は2011年5月19日、ウェブアンケートによる携帯電話とスマートフォンのサービス利用実態、及びスマートフォンの機能やネットワークサービスの不満・改善点に関する調査結果を発表した。それによると調査母体のうちスマートフォンユーザーにおける主要キャリア別の3G回線利用満足度について、自宅内ではほぼ同レベルだったものの、自宅外では少なからぬ差が生じていることが分かった。屋外に限らず職場や商業施設内、交通機関の中でも10ポイント強ほどNTTドコモやau(KDDI)と比べて劣る結果が出ている([発表リリース])。
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今調査は2011年2月10日から14日にかけてパソコンのインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1万8556人(うちスマートフォンユーザーは1400人、携帯電話ユーザーは17156人)。男女比は49.9対50.1、年齢階層比は18-29歳20.1%・30代20.1%・40代19.7%・50代19.9%・60歳以上20.1%。
携帯電話と比べてスマートフォンの浸透は黎明期状態。比較的ヘビーユーザーの所有率が高いこと、「携帯電話以上にパソコンに近い出入力が可能」機能から、スマートフォンの利用時間は携帯電話よりも長い傾向がある。今件調査でも一日あたりの平均ウェブ閲覧時間において、携帯電話は58分・スマートフォンは169分という結果が出ている。
↑ 1日あたりのウェブ閲覧時間(分)(再録)
接する時間が長ければ、それだけその端末自身や利用環境への考察も深くなり、メリット・デメリットが明確化してくる。そこで、主要キャリア(NTTドコモ・au・ソフトバンク)(利用ユーザー)毎にそれぞれの満足度を5段階評価で問い合わせ、その結果を集計。大変満足…100、やや満足…75、普通…50、やや不満…25、大変不満…0でポイントを加算し、加重平均を行った結果が次のグラフ。
↑ キャリア別3G回線利用満足度(スマートフォンユーザー)
「やや満足」が75、「普通」が50なことから、少なくとも自宅内の利用では平均的な利用満足度は「普通以上」であることが分かる。「大満足というほどではないが、これくらいなら普通か、ちょっとイイかな?」というニュアンスだろう。3キャリアともほぼ横並びで、差は誤差の範囲。
しかしこれが外に出ると大きな違いが確認できる。商業施設内ではやや差が縮まるものの、職場・学校、交通機関の中、そして屋外ではNTTドコモとauが自宅内での満足度とほぼ同数を維持しているのに対し、ソフトバンクは40前後に留まっている。他キャリアとは10ポイント強の差が開いている。一言で表現すれば「普通未満」「ちょっと不満だなぁ」といったところ。
回線利用の満足・不満足の判定にはさまざまな要素が絡み合う。しかし最大の要因は「つながる・つながらない」「利用途中で途切れないか否か」などの回線品質の良しあし。元資料でも「今後、スマートフォンの普及に伴い同時接続数の増加や大容量アプリの利用が拡大する。通信事業者には、フェムトセルを含む3G回線設備の増強、LTE等の高速モバイル通信設備の早期拡張によりサービス品質の向上が求められる」と言及されている通り、現状維持のままでは今後ますます回線状況が厳しくなる携帯電話・スマートフォン業界において、各キャリアは積極的な対応が求められている。
【津波避難時の持出品、「現金」「通帳などの貴重品」「携帯電話」】などでも触れているように、携帯電話は今や水や電気と並び重要なインフラの一種として認知され活用されている。しかるにその機能を預かるキャリア各社は、インフラを任された企業として重責を担う自認をしなければならない。それこそ水や空気のように「使っていることが当たり前で、存在を改めて認識することが無いほど安全で確実で供給しつづけること」が求められている。キャリア各社はその重責を認識し、その責務を果たしてほしいものだ。
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