【更新】「タブレット機使い始めたらパソコンは……」米タブレット端末保有者の利用性向

2011/05/12 07:33

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タブレット機携帯電話・スマートフォンを超えた性能を有し、ノートパソコンよりも機動性に優れ、スマートフォンのような簡易なインターフェイスを有する(スマートフォン向けのOSをベースに使っている機種が多いのだから当然)タブレット端末。日本でのシェアはまだ多いとはいえないが、注目度、伸び率では注目に値するものを示している。特にiPadシリーズなどで市場展開の度合いでは日本よりも先に進んでいるアメリカでは、新機種が次々に登場し、スマートフォン同様に競争が激化している。【電子書籍リーダー5%、タブレットパソコンは4%…アメリカのデジタル機器の普及率】では「4%」という数字が出ているが、現在ではもう何ポイントか上乗せされているはずだ。ニールセンではこのような状況のアメリカ市場における、タブレット端末の使用に関する調査レポートのダイジェスト版を公開した。日本の今後の動向もすけて見える有益な資料でもあり、今回はこれにスポットライトを当てることにする([該当リリース])。



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リリースでは顧客向けとして提供されるレポートのダイジェスト版ということもあり調査対象としては「2011年の春に行われたモバイル接続機器に関するニールセン・カンパニーの最新の調査」とだけ表記、具体的な調査母体、数などは示されていない。その上で概要として、「タブレット端末所有者の半数ほどが、家族の中では自分だけがその端末を使う」「43%は家族の他のメンバーと共有している」。そして3割以上の人が「タブレット端末を使い始めてから、手持ちのノートパソコンやデスクトップパソコンをあまり使わなくなった」と回答している。

↑ タブレット端末購入によるその他機器使用への影響(2011年春・アメリカ、ニールセン調査)
↑ タブレット端末購入によるその他機器使用への影響(2011年春・アメリカ、ニールセン調査)

例えば携帯電話とパソコンのように、ほぼ完全に相互補完・使い分けが出来る端末同士なら、新たに端末を手にしても使用頻度が減ることは無い。むしろ増えるかもしれない。しかし代替できる、あるいはより便利に使える機能があれば、タブレット機で代用して既存機種の使用から離れる場合も想定できる。「代替機」としてタブレット機の立ち位置を考えているのならなおさらの話。

さらに人が自由に使える時間は有限であることを考えれば、単純に考えてもタブレット機を使う時間が増えるほど、優先順位が低い端末の時間が減るのは当たり前の話(複数機種を同時に使いこなせる、マルチタスクな人なら話は別だが)。デスクトップパソコンやノート型パソコン、ネットブック、電子書籍端末などの「使わなくなった」率(赤系統色)が多いのは、それらの機種とタブレット機との間の「ダブリ機能」が多く、かつタブレット機での使用の方が便利と判断されていることになる。

興味深いのは青系統の「以前より頻繁に使う」との比較で、ネットブックが「使わなくなった」派が28%・「使うようになった」が22%と近い値を示しており、利用スタイルによって逆にネットブックを積極活用する人がかなりいること。一方でデスクトップ・ノート型パソコンでは「使うようになった派」は少数に留まっており、相互補完というよりは利用シフトの動きが強いことがうかがえる。

とりわけ利用頻度が減ったデスクトップ・ノート型パソコンも保有している、タブレット保有者に、「なぜタブレット端末を(代わりに)使うのか」と尋ねた結果が次のグラフ。機動性の良さがトップで、インターフェイスの使いやすさ、起動・終了の速さが上位についている。

↑ デスクトップ・ノート型パソコンの代わりにタブレット端末を使う理由(複数回答)
↑ デスクトップ・ノート型パソコンの代わりにタブレット端末を使う理由(複数回答)

持ち運びのしやすさは物理的、インターフェイス周りや起動・終了の速さはソフトウェアの使用上の「機動力」面での快適さであるところから、タブレット端末をデスクトップ・ノートパソコンの代替として使うメリットとして、「総合的な運用しやすさ、お気軽な使い勝手」が挙げられる。お気軽さという点なら既存の携帯電話やスマートフォンも同じではあるが、従来のパソコンの機能をどこまで再現・使用できるかの点で、タブレット端末は携帯電話などをはるかに凌駕する。

結局は「機動力」「ソフトウェア運用上の機能」の双方を天秤にかけ、どこまで妥協するか、出来るかが、端末の利用頻度を決めていく。その采配に際し、タブレット端末は両視点のバランスが取れている、調整がしやすい、ということなのだろう。


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