位置情報アプリ、米では過半数が「プライバシーが心配」

2011/04/30 07:09

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スマートフォンと位置情報先日からiPhoneやアンドロイド(Android)OS端末で、位置情報収集に関して色々と騒がしい。端末の位置情報を記録したファイルが個々の端末内に保存されているということで、プライバシーの侵害ではないかとするものだ。これに対しアップル側では「無線LANスポットと基地局の情報」だと説明しているが(【ケータイWatch】)、その説明にも歯切れが悪いとの意見が多い。肌身離さず持ち歩くスマートフォンの位置情報なだけに、ユーザー側の想いも多種多様なことが推測される。折も折、アメリカの調査会社ニールセンでは2011年4月21日、アメリカでモバイルアプリを利用した人に対する位置情報の発信に関する調査結果を発表している(【日本語版は4月28日に公開、PDF】)。興味深い動きが確認できるので、今回はそれを紹介することにしよう。



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今回の調査母体はアメリカで過去30日間にアプリをダウンロードした、携帯電話契約者。2011年4月発表とあるが、調査日や詳しい母数は記載されていない。また状況説明として「チェックイン……自分の位置情報を自発的に記録する」「GPS機能付きのスマートフォンのアプリを通して情報を自動的に送ることで、自分の現在位置情報を共有できるモバイルアプリが増えている」「位置情報でマーケティングを行い便益を与えるサービスもあるが、利用者には位置情報をシェアすることに抵抗を覚える人も多い」という記述がある。

一つ目の調査結果として示されたのは、位置情報を使うアプリでプライバシーが心配か否か。男女別で見た場合、女性の方が心配度が高い結果が出ている。

↑ 位置情報を利用したサービス・チェックインアプリを使用するのはプライバシーが心配
↑ 位置情報を利用したサービス・チェックインアプリを使用するのはプライバシーが心配

元々半数以上の人が心配しているとし、心配でない人は1割前後でしかない。さらに女性の方が強い懸念を覚えているが、これは犯罪に巻き込まれる・悪用されるリスクを考えれば容易に想像がつく。

これを年齢階層別に見ると、歳を経るほど強い懸念を抱いているのが確認できる。

↑ 位置情報を利用したサービス・チェックインアプリを使用するのはプライバシーが心配(年齢階層別)
↑ 位置情報を利用したサービス・チェックインアプリを使用するのはプライバシーが心配(年齢階層別)

25-34歳の層が一番心配度が小さいが、それでも半数の人が否定的な意見を持っている。そして55歳以上になると約2/3に達する。これは女性の方が割合が大きいのと同様に、犯罪に悪用された際のリスクの大小、さらにはデジタル技術に対する不信感の大きさが数字に表れたものと考えられる。



今調査では結びとして、「消費者が位置情報を利用したアプリにより慣れ親しむようになれば、また消費者がその情報を提供する代わりにどんな利益を期待するのかマーケッターが理解をし、信頼を得られるようになれば、消費者は位置情報のモバイルアプリに対して抵抗が減る」と推測している。要は情報公開をしっかりと行い、ギブアンドテイクを明確化した上で、ユーザーに使う・使わないの選択肢を与えることに他ならない。

今件はあくまでもアメリカでの調査結果だが、状況としては日本でもさほど変わらない。今後位置情報を使ったアプリが浸透していくことは間違いないが、それに伴い日本のサービス提供者も十分に配慮すべきお話ではある。


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