電子レンジの節電方法をまとめてみる
2011/04/28 06:52
先に【「効果的な節電方法が分からない家電がある」は3割、具体的には電子レンジが一番】で、「電子レンジの節電方法が分からない」という話を取り上げた。昨今問題視され啓蒙活動が盛んな「節電」は、厳密には「電力消費を抑える」と「ピークシフト(電力消費のピークタイムを避けて使用する)」の二通りあり、電子レンジについては前者が「やり方が分からない」と考えられる(ピークシフトは電子レンジに限らず多くの家電製品で、しかも誰でもすぐに実行できる)。そこで今回は、色々と資料などを揃え、電子レンジの使用時における節電方法をまとめてみることにした。
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●電子レンジのしくみ
まずは電子レンジの仕組みについて。【電子レンジの科学(東工大)】や【第17回:電子レンジとは(家電Watch)】などに詳しくまとめられているが、「空気やガラス、紙などは通り抜けるが、金属には反射し、水には吸収されてしまう『マイクロ波』を発生させて食品にぶつけ、食品内の水分に吸収させる。すると水の分子が振動し、分子同士の摩擦で熱が発生する」というもの。
↑ 電子レンジの原理。【シャープ・サポートお問い合わせ「製品を安全に正しくお使いいただくために」内 間違っていませんか?「電子レンジ」の使い方(PDF)から】
↑ 電子レンジの原理(電子レンジの科学(東工大)から)
例えばマグカップに牛乳を入れて電子レンジで温めると、牛乳はもちろんだがマグカップ自身も熱くなる。これはマグカップそのものが電子レンジで温められたのではなく、牛乳が温められてその熱が伝わったことによるものだ。
●色々まとめた「電子レンジの節電方法」
電子レンジの仕組みを概要的にでも知っておくと、どのような使い方をすれば節電が可能かが分かりやすくなる。そこで箇条書きにその手法と理由を、簡単にだが挙げてみよう。せっかくなので「このような場合は電子レンジを使わない、代替案を」的なものも併記しておく。
マイクロ波の本体内反射効率の向上。汚れていると1割ほどの電気の無駄が生じる。掃除方法は【シャープの「コールセンターからのアドバイス」】などを参考に(【該当ページ】)。
・食品の配置の仕方
加熱、解凍時にはお皿(ターンテーブル)の外側に食品を配する。二つ以上の食品を一度に加熱する場合は間隔を置く。いずれもマイクロ波を食品内部にまんべんなく当てるため(厚みがあると内部まで浸透しにくい。真ん中に置くと回転せず、当たりにくい場所が生じる)。
ただし前者「お皿の外側」はお皿が回転するタイプの場合。最近の電子レンジでは家庭用のものでも一部に「お皿では無くマイクロ波を放射するアンテナ側が回転する仕組み」の構造を持つものがある。この場合は外側に配しても節電効果は無い。
・大きなものと自然解凍
大きな食品は当然加熱にも時間がかかる。必要な分量だけを加熱できるように、冷凍時にはあらかじめ小分けしておく。また、味が落ちる・品質が悪くなるものでなければ(例えば冷凍した野菜を解凍して炒めものに使う)、ある程度自然解凍を使うのも一つの手。
・ラップを使う
食品にラップをしてから加熱すると、熱が食品から逃げにくくなり、加熱時間を短縮できる。ただし蒸気がラップ内に溜まるので、ご飯ものや揚げもの、焼き物など、水分を飛ばしたい食品には使えない。煮物や蒸し物などならOK(【シャープ 「レンジ加熱のこんなときは」】)。
・オートは使わない
電子レンジには色々な料理方法があらかじめ記憶された「オート調理機能」が備わっている。しかしこれはあくまでも平均的・標準的な調理時間なので、そのまま丸のみして使うと電気を無駄に使いかねない。手動で時間調整をした方が良い。
↑ 電子レンジのボタン上にあるオート調理機能以外にも、多数のオート調理機能があるが……
・蒸し板(スチームプレート)の活用(代替)
少々の加熱なら電子レンジは使わずに鍋やフライパンで『蒸し板(スチームプレート)』を利用し、ガスの加熱で蒸し器ライクな使い方も。
・ピークシフト(代替)
使用時間そのものはさほど長くは無くとも、電子レンジはかなりの電力を使う。
↑ 当方が自宅で使っている電子レンジの仕様
夏期の電力使用のピーク時間帯である10時-21時では、使用に十分注意を払い、代替案が使えるのなら極力そちらを使うことで、間接的な節電につながる。
他にも探せば電子レンジの利用時における節電方法はあるかもしれないが、大体これらに注意し、実践すれば、かなりの節電効果は期待できるはず。【電気使用の「アクセス解析」こと「スマートセンサー」とは?】で紹介した『ワットチェッカー』を持っている人は、実際の効用をチェックしてみるのも良いだろう。
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