家庭の節電対策、一番求められているのは「有効な節電方法」の情報
2011/04/28 12:10
リサーチバンクは2011年4月22日、節電に関する調査結果を発表した。それによると調査母体においては、節電に関する情報として「どのような節電方法が有効なのか」を望む声がもっとも大きいことが分かった。また家庭内で使用している電力がリアルタイムで把握できる仕組みを望む人も過半数を超えている。特に東京電力管轄内では「リアルタイム使用電力の把握」を望む声が強い(【発表リリース】)。
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今調査は2011年4月14日から18日にかけて、10代-60代の災害指定地域をのぞく男女に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1200人。男女比、年齢階層比は非公開。
東日本大地震の影響で東日本、特に東京電力管轄内では電力供給不足となり、現在もなお必死に各方面で供給力アップや節電対策が進められている。一般世帯でもさまざまなツールや情報が提示され、節電への啓蒙が行われているわけだが、その家庭側から見た場合、どのような情報が節電には必要だと思われているだろうか。具体的に4つの選択肢と「その他」「必要無い」を提示し、複数回答で尋ねた結果が次のグラフ。
↑ 今後節電に関するどのような情報が必要だと思いますか
もっとも多いのは「どのような節電方法が有効なのか分かる」。当サイトでも【待機電力の実態】や【経済産業省など、主要家電の省エネによる効果試算を発表】など、東日本大地震発生前も「節約」という観点から、そして地震後は半ば意図的かつ積極的に節電方法に関する情報を提示している。「節電はしたい、しかし『片っ端から電源プラグを抜く』だけでは能が無いし不便だ」と考え、どのような手立てを講じれば効率の良い節電が出来るか、その情報を求めている人はかなり多いことが分かる。
次いで多いのは「現在家庭で使用している電力がリアルタイムで分かる」。これは少し前に【電気使用の「アクセス解析」こと「スマートセンサー」とは?】で紹介したが、業務用のスマートセンサーなり省エネナビなりを使えば、容易に実現は可能。しかし初期導入コストが数十万円単位でかかるので、一般世帯ベースでは難しい。個々の家電単位でのチェックで妥協するのなら『ワットチェッカー』でチェックが出来る。これなら数千円でOK。
第三位の「消費電力の大きいもの小さいものが分かる」はトップの「どのような節電方法が有効なのか分かる」とほぼ同意。元の電力消費量が分からなければ、節電方法が有効かいなかの判断ができないからだ。また第四位の「現在の電力使用状況が各電力会社毎に分かる」は、すでに東京電力が実施している。他の電力会社も技術的にはすぐに開始可能であり、情報提供を強く望みたいところ。
これを主要電力会社管轄別に見ると、特に東京電力管轄内での状況が把握できる結果が見て取れる。
↑ 今後節電に関するどのような情報が必要だと思いますか(電力管轄別)
東京電力管轄内ではすでに耳が痛いほど節電方法への啓蒙がなされていることもあり、節電方法の情報そのものへのニーズは他地域と比べて低い。しかし個々の家電製品の消費電力に対する情報は常に求めている。また、「現在家庭で使用している電力がリアルタイムで分かる」へのニーズも極めて高い。つまり東電管轄内では「汎用的なレベルでの啓蒙段階から、具体的に個々の世帯での節電アクションにステップが移行しつつある」と考えることができる。
一方で「北海道・東北電力」と「北陸・中部・関西・中国・四国・九州・沖縄電力」で比較すると、後者よりも前者の方が電力需給はひっ迫していることもあり、危機感が強いことがうかがえる。
一年間で電力消費がもっとも大きくなる時期、夏期までに残された時間はあまり無い。関係各方面は最大限の努力を払い、有効な情報の提供と手立てを講じてほしいものだ。
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