「こんなにも簡単に出来ます」を疑似体験させてくれるダイレクトメール
2011/04/24 07:19
時にはポストを埋め尽くす数々のDM(ダイレクトメール)は、大抵は代わり映えのしない印刷物でしかなく、目を通すことすら時間の無駄に思えてくる。一方で【イケアのイカす「飛び出すDM」広告】や【自宅に戻ると目の前にあるモノにドキっとさせられる防犯広告】のように、自社の事業をアピールし、驚きと共に好印象を与えるものならば、名前や社名以外に事業の内容までをも記憶に刻むことになる。今回紹介するのもその類のもので、自社商品の特徴をシンプルかつ明確に表現した、受け取り手に疑似体験させてくれるDMである(I believe in Advertising)。
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↑ 中に入っている折り込まれたチラシを開いていくと……
これはインドネシアなどで展開している大手自転車店【RODALINK】社が折りたたみ自転車「Dahon(ダホン)」の新シリーズ(Dahon Curve D3)を販売するにあたり、購入してくれそうな見込み客に向けて行ったプロモーション。特にこれまで自転車を購入したことの無い層に、どのように「ダホン」をアピールするかがカギとなっていた。
「ダホン」の特徴は「折りたたみ自転車」であることと、組立てが容易ですぐに稼働できる状態に戻せること。
↑ 実際にDahon Curve D3を使っている人のようす。
そこで長々とこのメリットを文章で説明するよりも、感覚的に「小さくまとめられている自転車が、サクっと元の大きさに戻せる」ことを知ってもらうため、このDMが創られた。
ポストに、あるいはドアのすき間から家の中に投函されたのは、何回も折りたたまれたダホンの写真付きパンフレット。受け取った人は小さく折り込まれたチラシをパタパタと開いていく。すると自分の手元に、自転車の姿が踊るのを理解する。
自転車の横のメッセージには「すぐにでも準備ができますヨ(使える状態にできますよ)」。そう、畳まれているチラシを開くような簡単さで、気軽に組み立てられる折りたたみ自転車であることを、DMの受け手が疑似体験できるわけだ。シンプルで分かりやすい、素敵なセンスを持つダイレクトメールといえる。
この「疑似体験」チラシでどのような効果が出たのだろうか。DMを投函してから数日のうちに、RODALINK社のアクセス数は通常の3倍に増えた。そしてチラシに描かれていた自転車についての問い合わせも殺到したそうな。
【「並木橋通りアオバ自転車店」の宮尾岳先生が漢な件について】でも少し触れたが、健康増進や節約志向の他に、緊急時にも役立つとの視点から、折りたたみ自転車への注目が集まりつつある。あるいは日本でも同じような広告展開を行えば、多くの人が興味関心を抱くようになるかもしれない。
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