【更新】タイから無償貸与されたガスタービン発電装置、相次ぎ設置される
2011/04/23 06:52
[東京電力(9501)]は2011年4月21日、東京都品川区にある大井火力発電所敷地内に、緊急増設電源として、ガスタービン発電装備を設置すると発表した。1100度級ガスタービン発電設備(12.8万kW)と1300度級ガスタービン発電装置(8.1万kW)。使用燃料は都市ガス。運転開始は今年7月を予定。また同年4月22日には神奈川県にある川崎火力発電所にも1100度級ガスタービン発電設備(12.8万kW)を設置すると発表した。使用燃料は天然ガスで運転開始は今年8月を予定している。これらのうち1100度級のもの計2基はタイのEGAT社から3月末に無償貸与されたものである(【4月21日分発表リリース】【4月22日発表リリース】)。
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↑ 大井火力発電所と設置予定場所
↑ 川崎火力発電所と設置予定場所
【東電、今夏の電力需給予想を更新発表・ピーク時で5500万kWの需要に対し供給は5200万kW】などにもあるように、今般東日本大地震で発電所に大きな被害を受け電力供給力に不足を覚えている東京電力側では、夏の電力ピーク時に向けてさまざまな電力供給の手立てを講じている。今回発表された計3台のガスタービン発電設備の緊急設置もその一環。
そのうち2台はタイの[タイ発電公社(EGAT)]から無償で5年間貸与されたもの(【Bangkok Post】)。タイではこれらの発電所はコストパフォーマンの問題から運転を休止しており、非常用電源として予備的な存在にあった。またBangkok Postによればタイ側は3台の発電機の貸与の用意が出来ているとしたものの、日本側では2台のみの要求があったと伝えている("Actually we are prepared to offer three generators this year, but initially Japan has only asked for two," he said.)。
これからも数万kW、数千kWレベルの緊急措置的な上乗せが今夏・今冬のピークに向けて行われるだろう。そして中期的な供給力確保のため、今回のような緊急・暫定措置では無く、半恒久的な観点に沿った電力供給力の確保が求められることになる。
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