地震後に「インスタント」「水」「米やパン」をまとめ買い・「電池」は買いだめ出来ず
2011/04/21 12:00


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今調査は2011年3月25日から3月31日にかけてインターネット経由で北海道、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、静岡県、愛知県、大阪府、広島県、福岡県に在住する20歳以上の男女に対しインターネット経由で行われたもので、有効回答数は2000人。男女比、年齢階層比(20代・30代・40代・50代・60歳以上)、該当都道府県比で均等割り当て。

それでは実際、通常よりも商品を多めに買う・買い占める・買いだめる行動は、どれほどの人が行ったのだろうか。日常生活品のうち主要項目を挙げ、それらについて本震発生後の購入状況について「通常よりも多めに買った」「通常よりも多めに買いたかったが、買えていない」(ここまでが「買い占め」意向ゾーン)「通常と変わらない」「買ってない」の4選択肢の中から選んでもらった。そしてややグラフが見づらいこともあり、そのうち「買い占め」意向を持つ人の回答率を積み上げたものを追加したのが次のグラフ。

↑ 地震発生後の購入状況

↑ 地震発生後の購入状況(通常よりも多めに買った、多めに買いたかったが買えていないのみ積上げ、通常と変わらず、買っていないは除外)
まず不思議に思えるかもしれないのは、もっとも多い「水」ですら、買い占め意向を持つ人は2割にも届かないこと。元々「水」のニーズは全体の半数程度で、そのうち買い占め意向を持つ人は16%ほど、実際に買い占めをした人は7.6%でしかない。「米やパンなどの主食」に至っては、元々の購入意向者83.8%のうち買い占め意向者が10%強、買い占めをした人は6.1%のみ。回答時に恥ずかしさを覚えて「買い占めしてません」と答えてしまった人がいたとしても、あまりにも少ない気はする。

また、「多めに買った」と「多めに買いたかったが買えなかった」人の割合を見ると、冒頭でも触れたように「水」「電池」「ガソリン」(購入層そのものが少ないが「ラジオ」「灯油」なども)において、「買いたかったが買えなかった」人が「多めに買った」人を上回っている。これらの商品はとりわけ「買い占め・買いだめ」の対象となったことが想像できる。
さらに良く見直すと滑稽(こっけい)な話ではあるが、全項目で「通常通り買った」人の割合が、「多めに買った」と「多めに買いたかったが買えなかった」を足した人の割合を大きく上回っている。グラフは略するが地域別では多少関東地域で買い占め傾向が強いものの、大勢は変わらない。要はあわてず騒がず、必要な人だけ、そしていつものように購入していれば、本震直後の極端な品不足は(供給不足となった一部商品をのぞけば)起きなかったことが容易に想像できる。
やや余談となるが、買い占め率上位品において、男女の差異を見ると次のようになる。

↑ 地震発生後の購入状況(通常よりも多めに買った、多めに買いたかったが買えていないのみ積上げ、通常と変わらず、買っていないは除外)(男女別、上位5位まで)
インスタント系、主食系の食事は男女でほぼ変わらないが、水や電池、ティッシュペーパーなどでは女性の方が多い傾向がある。元々女性は家庭の留守を預かることが多いのだから当然なのかもしれないが、【震災後の不安要素、最上位は「福島原発」】にもある通り、女性の方が大きな不安を持つ傾向がある。買い占めもまた、その不安を体現化した結果なのかもしれない。
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