応急処置の大切さを実体験できるバス停
2011/04/19 12:10
【AEDのバッテリー切れ、してませんか? 厚生労働省が点検を呼びかけ】などでも触れているが、最近は公共機関では見かけない場所は無いほどAED(Automated External Defibrillator、自動体外式除細動器)は浸透しつつある。まさに消火器と同じぐらいと表現しても過言ではない。心臓発作を起こした人にAEDを用いることができれば、発作発生から数分以内なら救命率が上がることから、2004年7月からは一般の人でも使用が認められるようになったものだが、10年足らずでここまで浸透したとは少々驚き。このAEDの活用も含め、一般の人が「応急処置・救命」の知識や経験を持っていれば、「いざ」という時に人の命を救うことが可能となる。今回紹介するのは、一人でも多くの人が「応急処置・救命」の知識に興味を持ち、講習を受けて欲しいとの想いが込めらたバス停である(【ADS of the World】)。
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↑ ASSS: Bring The Billboard To Life。
これはカナダで展開されたバス停設置の野外広告。目的としては冒頭で触れたように「一人でも多くの人に、応急処置への興味を持ってもらい、経験と知識を学んでもらいたい」。そこで考え出されたのが、「実際に自分達の知識と経験で、他人の命を救えることができる」という経験をしてもらおうというもの。
バス停内部の壁に、ベッドに横たわる男性と、その男性のものと思われる心電図が配されている。男性は青ざめた顔で目を閉じたまま、そして心電図もフラットな状態。男性の胸元には手のマークと「ここを押してください」のメッセージ。手の形と場所から、それが心臓マッサージを望んでいることがつかみとれる。
↑ 「ここを押してください」と心臓マッサージを促すメッセージが
興味を持ったバス待ちの人が手を当てると、心電図の音と波形に反応があり、男性が蘇生したことが分かる。
↑ 手を当てると心電図に反応が。蘇生成功
男性の表情に変化は無いが、心電図が活性化することで、気軽に「蘇生」体験をすることができる。実際には心臓マッサージはもう少し複雑で、手を当てればよいというものではないが、「自分が応急処置の知識や経験があれば」という認識をさせるには十分のものといえる。
↑ 心電図には「応急処置の講習を受けましょう」とのメッセージと共に、該当サイトのURLが
たとえ疑似的、簡易的なものであっても、一人でも多くの人に「経験」をさせるのは意義のあること。単純にポスターや宣伝で公知するよりもはるかに強い認識・印象を受け手に与え、興味を持たせることができるからだ。少なからぬ人が、描かれている男性の顔に、自分の周囲にいる人(特に高齢者)の顔のイメージを重ねるに違いない。
日本でも応急処置の技術を取得するための講習は各所公的機関で行われている。例えば東京消防庁なら、【応急アドバイス】のページの中の【応急手当講習会】に詳細が書かれている。講習修了者には認定証も交付されるので、興味がある人は受講してみるのも良いだろう。
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