入手困難な品々、4割強は「手に入れるために東奔西走」
2011/04/12 12:00


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今調査は2011年3月25日から28日にかけてインターネット経由で国による災害指定地域である青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県を除いた地域に対して行われたもので、有効回答数は9948人。男女比は56.4対43.6、年齢階層比は10代0.6%・20代6.5%・30代23.5%・40代33.7%・50代21.4%・60歳以上14.3%。
東日本大地震・震災によってそれまでの生活とは変化が生じ、困っている事柄を複数回答で答えてもらったのが次のグラフだが、トップには「水・食料の入手困難」がついている。また「懐中電灯・ラジオ・電池」「ガソリン・灯油」「トイレットペーパー・おむつなどの日用品」といった物資面での供給不足が目に留まる。

↑ 本震当日から現在までで、生活で困っていること(複数回答)(再録)
特に東北地方ではガソリン・灯油不足が深刻化しており、9割近くの人が不足を経験している。

↑ 東北地方(秋田・山形)で困っている事上位10位(複数回答)(再録)
それではこれらの物品を入手し難いと回答した人は、どのような解決法を見出したのだろうか。まずは水や食料、日用品についてだが、「売っている店を探しまわる」とした人が46.3%と群を抜いた回答率を示している。

↑ 手に入れにくい水・食料・日用品はどのようにして手に入れた・入れているか(複数回答、入手困難回答者)
物品不足は全国的なものではなく、主に流通網の混乱と需給バランスの乱れによって生じているところが大きい。ある店舗で無い商品も、別の流通ルートを用いている店なら買える「かもしれない」。また、自身の行動領域内で足を運べる店舗により、商品入荷の程度の違いが生じている場合もある。普段の生活における「1円でもお安い商品を求めて店を放浪する」と比べてひっ迫感は強く、それだけに必死になる状況が容易に想像できる。
第2位は「代用品を購入」。欲しいものそのものが無い場合、代わりのもので我慢する、妥協するのは普段の生活でもよくある話。配送ルートが確保されていれば・到着までの時間を待てるのならば話だが、第3位の「インターネットで購入」というのも賢い手立てではある。他方、「店に並ぶ」という選択肢はさほど多くない。「並ぶぐらいなら他の店に」ということだろう。
一方これがガソリンや灯油となると、状況は大きく変わってくる。

↑ 手に入れにくいガソリン・灯油はどのようにして手に入れた・入れているか(複数回答、入手困難回答者)
トップは「売っているガソリンスタンドを探しまわる」で、食料品などと変わらないが比率は低く、ほぼ同数で「長時間、ガソリンスタンドに並ぶ」が収まっている。食料品周りでは1割程度しか並ぶ人が居ないのと比べると(「開店前から」を単純に加算すると2割強だが)、随分と大きな違いがある。これは冒頭でも触れているように、「他のガソリンスタンドを探して走り回ると、その間にもガソリンを消費してしまい、状況がますます悪化してしまう」からに他ならない。他の商品と異なる「ガソリンならではの特殊事情」が、ガソリンスタンドでの長い行列を創り出したといえよう。

現時点では商品の供給が以前のような状況に戻ったとは言い難い。さらにこれまでは主に流通上の問題によるところが大きいが、今後は工場などの被災による供給不足が顕著化してくる可能性がある。【「みんなで分け合えば、できること。」】の話にもあるように、周囲のことも考えた行動を心がけたいものだ。
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