運転している自動車が本物か否かを確認したくなる野外広告

2011/04/07 06:48

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子供先日までYouTubeのトップページで展開されていた広告の一つに「ガリバー旅行記」がある。周囲の社会がいつもと比べて大きい・小さい事で、自分の大きさを誤解してしまいそうな世界観を楽しめる、素敵な作品だ。今回紹介する広告もその仕組みを利用したもの。相対的な大きさの表現方法を用いることで、さまざまメッセージを込めた野外広告である(【Creative Criminals】)。



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↑ Hot Wheels Child Shapes。
↑ Hot Wheels Child Shapes。

これはミニカー大手の【Hot Wheels】がメキシコで展開した野外広告。見通しの良い、周囲に視界の邪魔となるような建物が無いまっすぐな公道の両脇に、大きな子供の看板を立てる。二人の子供は公道を挟み、視線を道路に向けている。自動車が通る情景はまるで、公道を通る自動車たちを楽しんでいるかのようですらある。

↑ 公道を通り過ぎる自動車達の様子を楽しむかのように見える子供達の看板
↑ 公道を通り過ぎる自動車達の様子を楽しむかのように見える子供達の看板

この公道を通り過ぎるドライバーは前方を走る自動車と看板を見て、そして通り過ぎた後もバックミラーからの情景を目に留め、それがまるで「本物と瓜二つのミニカーたちを走らせて遊んでいる子供達」のように見えてしまうという仕組み。転じて「Hot Wheelsのミニカーはそれほどまでに精密ですよ」「Hot Wheelsで遊ぶと本物の自動車を眺めているような位に臨場感を楽しめますよ」とアピールできることになる。同乗している子供達がこの情景に接すれば、その後Hot Wheelsのミニカーで遊んでいる際に、ふと後ろを振り返り、「彼らがいるかも?」とふざけ合うかもしれない。

Hot Wheelsでは今回の「自動車を自社のミニカーに仕立て上げるため、相対的に大きさの比較ができるよう、巨大な子供の野外看板を用意する手法」と同様の切り口の野外広告を、過去にも行っている。例えば【Hot Wheels: Face of a child on a bridge】では、通りを横切る歩行者用の通路に子供の看板を配し、楽しそうに自動車(=ミニカー)の通過を眺めている子供を演出している。

↑ 「色んなミニカーが通るなぁ」と楽しそうに眺める子供
↑ 「色んなミニカーが通るなぁ」と楽しそうに眺める子供

予備知識も無くいきなりこの看板に遭遇すると、正直驚いてしまうかもしれない。だからこそ今件の看板は見通しの良い場所に配したのだろう。それなら自動車の運転手は遠目で確認できるので、「最初は違和感を覚える程度」「少しずつ近づいて疑問が高まる」「しっかり確認できる距離まで来て『なるほど』と理解」のプロセスを経ることができるからだ。

日本ではそこまでミニカーの市場が大きくないので、ここまでダイナミックな野外広告をする必要はないかもしれない。しかし切り口としては色々なものに応用が出来るに違いない。


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