地震情報で見直される「ラジオ」、評価を受ける「ソーシャルメディア」、そして……
2011/04/03 07:01


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今調査は2011年3月24日から25日にかけて15-59歳の男女に対してインターネット経由で行われたもので、有効回答数は800人。男女比・年齢階層比(-29歳・30代・40代・50代区分)は均等割り当て。関東(東京・神奈川・千葉・埼玉・栃木・群馬)と関西(大阪・京都・兵庫・滋賀・奈良・和歌山)で均等割り当て。
東日本大地震とそれによって発生している震災においては、情報の取得という問題が改めてクローズアップされることになった。今調査母体に対し、震災発生後の情報源を複数回答で聞いたところ、トップは「テレビ」、ついで「PC(パソコン)のニュースサイト」という結果が出ている。

↑ 震災発生後の情報源(複数回答)
今調査がパソコン上からのインターネット経由で行われていることを考慮すれば、第二位の「PC(パソコン)のニュースサイト」は世間一般の回答と比べて多少底上げされていると考えてよいだろう。とはいえ、それを割り引いても多くの人がチェックをしていることには違いない。
いわゆる「4マス(4大既存メディア)」としては「新聞」「ラジオ」が続き、「雑誌・週刊誌」などは後ろから数えた方が早い場所にある。個々の媒体の特性を考えれば、この順位も順当というものか。
それではこれらの媒体において、「情報源として使った」人たちはどのようなイメージを持っているだろうか。元資料では上記グラフで登場した全媒体に関する結果が掲載されているが、今回は特に「テレビ」「ラジオ」「ツイッター・mixiなどのSNS」(=ソーシャルメディア)に絞って再構築し、グラフを生成した。

↑ 震災の情報入手源のイメージ(複数回答、個々の媒体利用者)
まず三者とも「情報が早い」という点では高評価を得ているのがわかる。信頼性ではテレビやラジオがやや高く、落ち着ける・温かみがあるという点ではラジオの評価が高い。また、「自分で主体的に情報を選べる」「情報が豊富」「個性的」など、普段からも同様の評価を受けそうな点で「ツイッター・mixiなどのSNS」がテレビやラジオより高評価を受けているのが分かる。
そして注目したいポイントとしてまず挙げられるのが、テレビの「情報が横並びでほぼ同じ」「行きすぎと感じる」の点。今件は単純に「テレビ」という区切りではあるが、特に民放各社においてこれらの点が指摘されている。地震報道をエンタメ番組と勘違いしたかのような内容が相次ぎ、報道(と自称している番組)による二次的被害・二次災害と呼べるものも発生しているのは、【患者が強い不安を訴え薬を処方した医師は1/3、不安要因は「余震」「報道」】などでもお伝えした通り。また、自ら「被害者」として経験している人も少なくあるまい(無論すべてのテレビ番組が非難されるべき対象というわけではない)。

未だに現在進行形の状況も含め、東日本大地震による傷跡は深い。復興、あるいは新生には並々ならぬ努力が必要とされる。「いざという時に本性が見えてくる」の言い回しにもあるように、今件震災では個々のメディアの本性がかいま見られた感がある。人々の心にある程度の安ねいが得られる時分になれば、それぞれに対する「評価判断」が下されることだろう。
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