高校中退の理由、過半数は「欠席過多で進級困難」・校風や勉強、人間関係も

2011/04/01 06:56

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机内閣府は2011年3月29日、高校中退者の意識に関する調査結果を発表した。それによると高校中退者の中退理由としては「欠席や欠時がたまって進級できそうにもなかったから」がもっとも多く過半数を超えていた。「校則など校風が合わなかった」「勉強が分からなかった」「人間関係がうまくいかなかったから」などが該当すると回答した人はそれぞれ4割を超えており、少なからぬ人が複数要因で中退という選択肢を選んだことが確認できる(【発表ページ】)。



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今調査は高校中退後概ね2年以内の人を対象に、高校経由(宮城県・熊本県・広島市の教育委員会からは協力得られず)で中退者2651名に対し調査票を郵送したもの。結果、1176名分返送を受け、その返送分を基に集計されている。男女比は47.1対52.2(他に無回答0.7)、2010年4月時点の年齢は17歳39.5%・16歳28.9%・18歳21.3%など。

そもそも論になるが、高校中退者に「なぜ中退したのか」を複数回答で聞いたところ、「とても当てはまる」と「まあ当てはまる」を足した値(※質問時の選択肢には他に「当てはまらない」がある)としては、「欠席や欠時がたまって進級できそうにもなかったから」の項目がもっとも多く54.9%に達していた。

↑ 高校を辞めた理由(複数回答)(とても当てはまる+まあ当てはまる)
↑ 高校を辞めた理由(複数回答)(とても当てはまる+まあ当てはまる)

本当に学校での勉学を続けたいのなら留年してでも残るべき、とする意見もあるかもしれない。しかし今件は複数回答形式であり、「欠席や欠時がたまっ」た理由が他の回答項目の上位陣からうかがえてくる。4割以上の回答率を四角で囲ったが、「校則など校風が合わない」「勉強が分からない」「人間関係がうまくいかない」など、高校に行くこと自体が苦痛に覚えてしまう内容が上位についている。

面談そして多くは「ある日突然、完全にそう感じるようになる」ものではなく、「少しずつ状況が悪化していく類のもの」。「高校に行きづらさを覚える」「欠席が多くなる」「ますます行きづらくなる」「進級が難しくなる・できそうになくなる」「中退」というプロセスが透けて見えてくる。幸いにも肯定的と思える理由「早く経済的に自立したかった」「高校生活以外に興味があることができた」もそれなりの回答率があるのが救いといえる。

今調査別項目では、高校中退の際に相談をした人は77.9%という結果が出ている。しかし2割強は誰にも相談をせず辞めている。辞めること自身が良い事・悪い事かの判断は人の状況それぞれではあるが、決断をする前に、せめて保護者か先生自身に相談をしてほしいものだ(もっとも辞めたくなる原因がそこにあるのなら、話は別となるが……)。



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